西表島の浦内川を小さな観光船に乗って、川を遡ります。
西表島の浦内川には、マリユドゥの滝と、カンピレーの滝が圧巻です。西表島ツアー2002年沖縄訪問記(2)
西表島の浦内川には、西表島に降った雨が雫となり、流れを作り、川となり、滝を作り、海に流れていく水の循環を作っています。
西表島旅行の2日目は、西表島の自然を見て廻るドライブです。レンタカーを借りて、奥さんを乗せて観光マップを頼りに、出来るだけ自然に触れる事の出来る観光に参加します。
今日は年の瀬で、大籠で大晦日です。ここ西表島では、大晦日の慌ただしい雰囲気は、まるっきりありません。
今日は、昨日の続きのようなものです。でも明日は1月1日のお正月を迎えるので、西表島でも何か変化があるはずです。注意深く見ていきます。
最初は浦内川観光です。ここの船着き場で、西表島の人に声を掛けてみました。初めてお会いした方ですが、観光客に親切に話し相手になってくれました。
「明日のお正月に向かって、何か準備をしているのですか?」と尋ねると、
「今夜はうちの家では、お弟子さんが大勢集まって、沖縄の年越し蕎麦を頂くんです。」
「何のお弟子さんですか?」
「三線のお弟子さんです。」
「えー!そうすると、あなたは、三線のお師匠さんですか?」
「そうです」
「それでは、是非、三線を聞かせて下さい」
「いいですよ、今夜うちにいらっしゃい。みんなと沖縄の年越し蕎麦を食べましょう。」
と、話はとんとん拍子に進み、なんと松葉博雄は西表の三線の世界では著名な宮良用茂さんのお家に、客人としてお伺いする事になりました。
浦内川の観光は、船に乗って川を遡ります。
日本百選の滝に選ばれている マリユドゥの滝 が見えました。
自然が自然のままで残っている事は、都会に住む私にとってみたら、とても新鮮に感じます。浦内川を船で遡っていっても、周りに看板・電線・自動販売機・人家・お店など、もし時代劇の映画を撮ろうとすれば、邪魔になりそうな、現代風の物は見あたりません。
映画の「キングコング」が出てきてもおかしくないような、自然があります。
イリオモテヤマネコについての看板がありました。こんな事が書いてありました。
原始的な猫の一族の生き残りとされ、西表島のみに生息する貴重な種です。イエネコと違い川に入って泳ぐこともあり、木にも登ります。食べ物は鳥類やトカゲ類を主に、植物、昆虫、魚介類と、いろいろです。生息数は100頭あまりと少なく、交通事故で死亡していることもあり、心配されています。
イリオモテヤマネコは、そんなに見えるものではありません。そこで、イリオモテヤマネコの写真を紹介します。
マリユドゥの滝から200m上流に、カンピレーの滝が見えます。カンピレーとは、西表島の言葉で「神々が座る」という意味です。
観光客から見ると、水を満々とたたえた、素晴らしい滝ですが、島の人達には聖地であり、信仰の対象の場所です。
島に降った雨が、直接川に流れ込む事もあれば、一旦地中に潜り、清水となってもう一度地上に染み出て、川に合流し、そしてこのカンピレーの滝を作っています。
滝の側に立っていると、今にもこの滝の清流に飲み込まれて、川下に流されていくのではないかと錯覚する程の川の勢いです。
都会の観光地と違って、西表島の観光地は、素晴らしい観光スポットであっても、訪れる人は少なく、ゆっくりと自然に溶け込む事が出来ます。
奥さんは、西表島のイリオモテヤマネコの柄に合わせて、同じ様な猫の模様のシャツを着ています。これを着ると、猫がひょっとすると近づいてくるのではないかという、縁起物の服です。
この水は、手に掬って飲んでみると、とても柔らかい味わいの水です。これをペットボトルに入れれば、すぐ販売できそうな水です。
西表島に降った雨がより集まって、今目の前に流れる激流を見れば、横山大観の名作『生々流転』を思い起こさざるを得ませんでした。
2002年12月30日()