王子動物園でU君が身を乗り出して見たのは、パンダ、レッサーパンダ、コアラ、ヒョウ、黒ヒョウ、トラでした。
王子動物園で見たものは、フラミンゴ、パンダ、レッサーパンダ、カンガルー、シマウマ、キリン、ゾウ、カバ、コアラ、ペンギン、ライオン、ヒョウ、黒ヒョウ、トラでした。 U君と王子動物園(2)
U君の王子動物園訪問はこれが2回目です。U君について王子動物園を歩いていると、だいたい何処の地区に、どの動物が住んでいるのか、少しずつ覚えてきました。
これから行くのは、カバさんのお屋敷です。カバさんは、自宅の池でほとんど体が隠れるくらい水に浸かっています。U君は、カバさんがどこに居るのか、しばらく分かりませんでした。
1月の冷たい池の中で、アフリカ生まれのカバさんがよく風邪をひかないものだと、感心します。
次はペンギンさんのプールです。水槽を横から見られるように、建物の中に入ります。そこにパンダさんが受付をしていて、U君が近づくと、パンダさんの隣に座ったおじさんが、パンダさんの背中を押して、パンダさんがU君に挨拶をしたような仕草をしてくれました。
水中で見るペンギンは、まるで空を飛ぶ鳥のような早さです。あんな早さでオリンピックに出たら、きっと世界新記録の金メダルです。
猛獣のお屋敷に来ました。毛皮の綺麗な、艶のあるヒョウが間近に見えます。
ヒョウは2頭いるようで、岩を積み上げた最上階に席をとり、まわりを睥睨しています。
猛獣さんのお屋敷は、どのお隣同士も、争い事になったらうるさそうな住人です。
この黒ヒョウも、身の軽さ、歩くのに音も立てず、後ろから付いてこられても、気が付きそうもありません。
ライオンさんのお屋敷も、岩の上に指定席があって、2頭のライオンが眺めの良いところから、まわりを見渡しています。
この地区で、一番うるさそうなのが、一番強面なトラさんです。でも、近くで見ると、随分と痩せているように見えます。
大好きなお肉をあまり頂いていないのではないかと、つい同情します。
仏教の教えの中に、ジャータカがあります。捨身飼虎(しゃしんしこ)です。お腹の空いたトラの親子に、仏陀自身が自らの体をトラに与えて、トラの子どもの空腹を満たしてあげる話です。
怖そうな住人が集まっている地区から少し歩くと、おっとりしたゾウさんのお屋敷に着きました。ゾウさんは、ゆっくりとした歩調で、前に進んだり、後ろに下がったり、狭い敷地を上手に歩いています。
そろそろお昼頃で、王子動物園の中の食堂にU君を連れて行きます。
食堂の直ぐ側にパンダさんのお屋敷があるので、もう一度パンダさんの歩いているところをU君に見せようと思ったのですが、U君は食堂の方に行ってしまいました。
王子動物園の食堂は、園内の独占企業なので、競争相手はありません。食堂の利用者の顧客満足の為には、競争相手が欲しいところです。
松葉博雄はラーメンセット、奥さんはカツ丼です。
U君は、ゾウさんが見える席で、ラーメンとカツ丼を、少しずつ取り分けて、頂いています。
U君にとって、動物園を楽しくまわるには、同じ年代の子ども達とまわれば、きっと、もっともっと動物園を楽しめると思います。
旅行に行って素晴らしい景色を見ても、共感できる人がいなければ、景色も半減するようなものです。
2013年1月17日(木)