淡路島では、道の駅で買い物をして、魚屋さんを覗き、天然温泉に入って、夕食は岩屋の源平でお寿司を頂きます。
沖縄の片山正喜さんが会いにきてくれました。(3)
片山正喜さんは、海中工事の会社を経営していました。その為、請け負った仕事は海辺ばかりです。全国の海に潜ったそうです。
あちらこちらの海で工事を続けていると、楽しみはその土地で採れた魚のお料理です。沖縄でも、九州でも、四国でも、中国地方でも、名古屋でも、横浜でも、東北でも、北海道でも、あちらこちらの工事現場で、地元の魚を食べたそうです。
それでは、まだ行っていない所はあるでしょうか? ありました。淡路島です。淡路島はまだ行ったことがないそうです。では淡路島にお寿司を食べに行きましょう。というお誘いで、決まりです。
車に乗って、片山正喜さんは初めて明石海峡大橋を渡りました。淡路に着くと、東浦の道の駅に行き、有名な淡路産のたこを、とても珍しそうに見ていました。
サヨリの一夜干しを見ると、一匹60円です。海で馴染んだ片山正喜さんからすれば、サヨリなんて、夏の終わりの頃には、海岸の砂地を目指して群れになって寄ってきて、それを投網で捕れば、ひと網で数え切れないほどのサヨリが捕れたそうです。
沖縄の海岸と、淡路島の東浦の海岸を、比べてみてもらう事にします。ロンドン橋が見える辺りに、ヤシの木が一列に高く伸びていて、上の方は風にそよいでいます。この景色は少しだけ沖縄に似ています。
海岸に出てみると、やはり、沖縄の砂と淡路の砂は違います。沖縄の砂には、珊瑚の小さな欠片や、星の砂といわれる小さな貝殻が混じっているのが普通です。淡路の砂は、花崗岩が砕けて、波に洗われ、小さくなった砂です。
内地の魚を見たいというので、近くのスーパーの魚売り場に行って、どんな魚がどんな値段で売られているか、実地検証です。「こんな小さなセコガニが480円もするの!?」と驚いています。
「片山さん、そんなもんじゃないよ!これはセコガニだから480円で、安い方です。松葉蟹の雄は、2万円前後するんですよ!」と言うと、もう驚きでした。
片山正喜さんが懐かしいと思う魚は、メバルやアコウです。ダイバーである片山さんは、仕事の合間にちょっと潜って、簡単にアコウやメバルを捕っていました。今でも沖縄の家の近くの海で捕っています。
次は温泉です。東浦の天然温泉「花の湯」に行きます。駐車した車の前には、猫がいっぱいいます。全部で10匹以上いました。
じっとみていると、最初警戒して逃げていた猫が、こちらをじっと見て、何もしなければ猫の方からこちらに寄ってきます。きっと猫に餌をあげる人が多いから、様子をみて、一旦逃げる素振りをしていても、餌をくれる人なら寄ってくるのだと思います。
温泉の前に、吹き出す水で、大きな大理石の球体を回している置物がありました。片山正喜さんに、「あの大理石のボールを回すと、きっと良いことがあるよ」と勧めると、「よし!行ってこよ!」と、大理石のボールを回しに行ってきました。
天然温泉がおわると、次は岩屋に戻り、寿司の源平に行きました。片山正喜さんにとってみて、今回の一泊することになった一番の誘因が、淡路島のにぎり寿司です。
5時をまわった頃の夕暮れ時です。海はべた凪です。明石の方から、小さな渡船が岩屋に戻って来て、通勤客を岩屋の波止場に降ろしています。
向こうに見えるのは、岩屋港の待合室です。フェリーボートが明石と岩屋を結んでいた時代は、ここは淡路島の表玄関でした。
行き交う旅客は、船から下りると、ここから島内に通うバスに乗り換えていました。
片山正喜さんが海中工事の会社をバリバリやっていた時代は、向こうに見える明石海峡大橋の橋脚部分のような、海中に隠れている部所が仕事の対象でした。
内地は寒いなぁと、沖縄に慣れた生活では、11月中旬の、日に日に気温が下がってくる黄昏時には、気温は15度以下になり、さらに夜になると冷え込んできます。
神戸からここまでは、松葉博雄が車の運転をしてきました。この後、源平で食事をした後は、片山正喜さんと運転のバトンタッチになります。それは、松葉博雄がビールを飲んで、片山正喜さんはお茶を飲んで素面だからです。
2012年11月12日(月)