思い出の夏休みは、花火と川遊びです。U君はお父さんとお母さんと一緒に、ドイツのボンに出発です。

思い出の夏休みは、花火と川遊びです。 U君の夏休み(7)

思い出の夏休みは、花火と川遊びです。一時帰国の短い期間に、沢山の思い出が出来ました。U君はお父さんとお母さんと一緒に、ドイツのボンに出発です。

お昼ご飯を食べて直ぐに、U君のお父さんは、U君が海で遊ぶために、浮き輪と魚捕り用の網を 松葉博雄と一緒に調達に行きました。

男の子に水遊びをさせてあげたいのです。小さな川には、上から見ると小魚がうようよ泳いでいます。あの小魚を子ども達に追っかけさせたいようです。

こんなたわいもない事が子どもの頃の記憶に残り、親としても子どもと一緒に遊んだという記憶に残ります。本当に魚を捕りたいのではなくて、魚を追いかけた思い出を残したいのです。

つかの間の魚捕りなので、そんなに立派な網でなくていいのです。釣具屋さんに行くと、浮き輪は1500円くらい、網は1000円くらいと、ベストシーズンの価格が並んでいました。それはちょっと高いので、釣具屋さんで買うのをやめ、ホームセンターに行ってみると、網は100円でありました。

U君とリッキー君に、お揃いの網を一本ずつ持たせると、大喜びです。柄が長いので、網を振り回した反動で尻餅をついています。

普段したことがない遊びなので、U君もリッキー君も大喜びです。U君のお父さんは、川の草むらに隠れている、海老と蟹を探しています。

子ども達に、絵本で見るだけでない、自然の中で生きている海老や蟹を見せてあげたいようです。想いが通じて、かなり沢山の海老と蟹が捕獲できました。

バケツに入れた海老と蟹は、子ども達が喜んで見た後は、川に戻してあげました。

楽しい川遊びや、花火の思い出を残して、U君の夏休みがそろそろ終わりです。甚兵衛さんを着たU君は、すっかり日本の生活に戻りましたが、翌朝は、朝6時頃から起きて、関西空港に向かいます。

予約していたタクシーが約束の時間に迎えにくると、U君は、「U君帰らない」と泣いています。

本当に辛そうです。帰らないと言ってだだをこねても、お父さんとお母さんは、もう荷物を車に積んで、すっかり出発準備が整いました。

最後にU君は、泣きながら松葉博雄の胸に飛び込んできました。固く抱きしめて、U君としばらくのお別れです。今度会うときは、また成長している事を楽しみにしています。