淡路市 岩屋港ターミナルの源平寿司で明石海峡大橋を見ながら

明石海峡大橋と岩屋港が見える源平寿司でとれとれの握り寿司を頂きました。 (4)

子育てを振り返ってみると、親の立場では、その時は一瞬一瞬がとても慌ただしい時間の連続で、幼児のすることも、ゆっくり成長を楽しむゆとりもありませんでした。

子育てをしていると、矛盾にぶつかります。矛盾とは、一方では幼児の個性を伸ばそうという育て方と、他方では、周囲の皆さんと一緒に生活していく為には、個性も抑えて、周りと上手く合わせようとさせる育て方が矛盾してくるのです。

ついついあれをしたらダメ、これをしたらダメ、そうしたらダメ、こうしないとダメなど、いつも何かを押しつけています。

幼児は少し伸びかけた樹木の様に、あちらこちらから枝を張り、葉っぱを伸ばし、出来るだけ太陽の光りを広く受けようと、枝葉が伸びていきます。

一方親の方は、余分な枝葉を整えて、一つの美しい姿を作ろうとして矯正が始まります。樹木にとって矯正の意味も分からず、矯められた事に反発します。

いつか来た道ですが、親の立場と祖父母の立場では、見方が変わってきている自分に驚きます。おじいちゃんになれば自分自身でさえ、子育ての考え方が変わってきているのです。

もう子育てではなくて孫育てになっていて、そんなに細かい事を矯正するのは向いていなくなっています。

今日の夕食は、淡路島の岩屋にある源平寿司でお寿司を戴きます。前回、源平で大切な物を忘れて、家まで届けてくれたお礼を言って、沖縄のお酒をお礼に渡しました。

源平寿司のお店の横には、明石名物、明石海峡名物、岩屋名物、淡路名物として有名な干し蛸が、人が両手を広げているような、凧のように風に揺れています。

干し蛸にすると、タコの味に甘みが出て、酒の肴にとっても良い味になります。

明石大橋が架かっても、岩屋と明石の渡船は今も活躍しています。車が無くても、バスに乗らなくても、岩屋から明石へ、明石から岩屋へ、徒歩で渡るには渡船が便利です。

岩屋のターミナルには、風の香りに潮の混じった潮風を感じ、あーここは港町だなぁと、演歌の世界の様な、小さな港の味わいがあります。

予約をしていたので、源平寿司ではカウンター席と、テーブル席の2つの席で、全員が席をとれました。

今日はリッキー君と、その家族も一緒なので、とても賑やかです。

西日を遮っていたブラインドを、頼んで開けてもらうと、もう強い日差しはすっかり落ち着いて、西日もまぶしくなく、お寿司のネタを傷める熱もありません。

見えてくるのは、岩屋港の堤防と、その先に明石大橋です。明石大橋は、真ん中に向かって、左右から登りと下りの勾配があり、車は遠くから見ると、坂を登っているように見えたり、坂を下ったりしているように見えます。

海上では、岩屋と明石を繋ぐ渡船が頻りに出入りして、大きな船もあれば、小さな船もあります。

にぎり寿司を注文した後、一品料理に鯛のあら炊きを戴きました。松葉博雄は車の運転があるので、ノンアルコールビールです。

いくらビールに似ていても、ノンアルコールビールは、ビールであって、ビールではありません。

ドイツから一時帰国したU君一家は、ドイツで食べる日本食とはまるでレベルが違う、明石でとれた瀬戸内海の食材に大喜びです。

特に鯛のあら炊きは、これだけでご飯が食べられると、大絶賛です。

松葉博雄の家族が揃ったので、乾杯をしたいところですが、生ジョッキ対似非ビールでは、そんなにも真剣味がなく、まるで真剣対木刀の様に切れ味が違います。

まぁ皆が揃ったんだから、ここは我慢と、お寿司に手をかけようとすると、どれから先に食べようかと周りを見回せば、周りも同じ様にどれから食べようか迷ってるようです。

蒸し穴子も美味しいし、アワビも美味しそうだし、ウニは早く食べないと劣化が早いし、まさか食糧難の時代の時のように、もたもたしていると隣の腕が伸びてくる事は無いので、この際、痛みやすいものから早く戴く事にします。

にぎりの値段の違いは、まぐろのトロの具合に出てきます。もちろん、大トロが一番高くて、その大トロも、厚さ、薄さに表れてきます。

ドイツ帰りの娘は、一握りずつ口に入れては、目をつぶって、ん~とうなりながら肯くように、一つ一つのにぎりの味を噛み締めて、記憶にとどめようとするかのように食べています。

源平寿司のお店には、別棟に大きな生簀があって、注文がかかる度に、生簀に魚をとりに行っています。

三宮辺りの生簀なら、アクリルで組んだ小さな生簀ですが、源平寿司の場合は、すぐ側の岩屋港からポンプで海水を汲んで排水をする、新鮮な海水が循環しているので、魚の鮮度が新鮮です。

お寿司や、一品料理を食べた後の仕上げは、魚のあらの入ったお味噌汁です。松葉博雄は、皆がお味噌汁を注文しても、注文しません。どうしてでしょうか?ビールの好きな人なら分かります。

ここで汁物は我慢して、喉を少し渇かして、車の運転が終わると、ぐっと我慢した反発に、うんと冷えたビールを、家でゴクゴクと飲み干したいからです。