味覚の好みは、幼い頃食べていた、お母さんの手料理からです。U君の好きな鮎
味覚の好みは、幼い頃のお母さんのお料理からです。甘党になるか、辛党になるかは、同じ物を食べていた兄弟間でも差が出ます。U君の夏休み(2)
味覚の好みは、幼い頃のお母さんのお料理からです。
幼い頃食べ慣れていた料理が、好物になります。
U君の夏休みは、神戸だけでは済みません。
U君に会いたがってる家族の所に、泊まりがけで行ってきました。
そのとき戴いた、お土産の生の鮎です。
炭火をたいて、鮎の塩焼きをしたいところですが、
帰宅時間がやや遅かったので、
炭火焼をしていると夕食に間に合いません。
綺麗な天然鮎ですが、ガス火で焼く事になりました。
ドイツでは、魚屋さんに行って生魚を買う事があまりないので、
U君は生の鮎を珍しがって、つかもうとしています。
鮎の体表には鱗は無いので、
U君の指を刺す事はありません。
U君は、鮎のぬめりで手が滑り、
なかなか上手に鮎を掴むことが難しそうです。
鰻を掴むほど難しくはありませんが、
U君にとっては、鮎を小さな手でつかむには、
鮎がまるで逃げるように、手から滑り出ています。
一緒に戴いた生のサザエです。
サザエもガス火で焼いて、戴きました。
U君の為に、あれやこれや食材がテーブルに溢れています。
あれも食べさせてあげたい、
これも食べて欲しいと、お皿が増えているのです。
鮎が焼き上がった頃、宅急便が届きました。
受け取ってみると、沖縄の金城正浩さんから
、恩納村の海ブドウとマンゴーです。
U君は、海ブドウに強い関心を持っています。
「それなぁに?」と、欲しがっています。
U君のお父さんとお母さんに海ブドウをあげて良いか尋ねて、あげてみました。
大人の味というか、しょっぱい味ですが、
Uくんは海ブドウがすっかり気に入って、
調味料を何も付けないで、
海ブドウをそのままいくつも食べています。
U君は、いろんな物に興味が湧く頃で、
「なんで?」と尋ねてきます。
海ブドウを食べ過ぎてはダメですよと注意すると、
「なんで?」と、不思議そうに尋ねて来ます。
これを、ひとつひとつ説明するのは、大人としては大変です。
マンゴーも立派です。
ドイツのスーパーマーケットに行くと、ヨーロッパ各地から、果物、野菜、魚、肉、などの食用品が沢山集っています。
それに対して、沖縄マンゴーは一個が2000円程度はする、高級果実です。
沖縄マンゴーを食べたU君は、
すっかり魅了され、もっともっと欲しがっています。
ドイツでなかなか手に入りにくい好物を覚えてしまうと、後が大変です。
ドイツでまた食べたいとおねだりしても、マンゴーはあっても、
さすがに海ブドウはないと思います。
子どもの頃、家で食べた食品が、大人になっても美味しい味になってきます。
ポテトフライを食べていれば、ポテトフライが好物になり、
カレー味を食べていれば、カレーが好きになります。
幼い頃から始まる、美味しい味が増える頃です。