2月20日は歌舞伎の日 映画『国宝』ヒットに想う、時を越えて叶う願い
投稿No:10547
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2/20は歌舞伎の日 映画『国宝』ヒットに想う、時を越えて叶う願い
歌舞伎は、言わずと知れた日本を代表する伝統芸能です。
1607年(慶長12年)の2月20日に、
出雲阿国が江戸城で徳川家康や諸大名の前で
「かぶき踊り」を披露したのが最初と
いわれています。
歌舞伎という名称の由来は、
「傾く(かたむく)」の古語にあたる
「傾く(かぶく)」の連用形を名詞化した
「かぶき」だと言われています。

当初は女性が演じる「女歌舞伎」でしたが、
風紀の乱れを理由に幕府が禁止。
やがて成人男性のみが舞台に立つようになり、
男性が女性を演じる「女形(おんながた)」
という独特の様式が生まれました。
江戸中期には、近松門左衛門らが優れた脚本を生み出し、
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市川團十郎、坂田藤十郎といった
名優の登場によって芸の型が確立。
そして1965年には日本の重要無形文化財に、
2009年にはユネスコ無形文化遺産に登録されました。

出雲阿国から四百年以上——
歌舞伎は、時代の荒波を越えて
「本物」として生き続けています。
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現存最古の芝居小屋で感じた“本物”

私はかつて、金丸座(旧金毘羅大芝居)で開催される
四国こんぴら歌舞伎大芝居を観劇しました。

重要文化財に指定されるこの芝居小屋は、
江戸時代の舞台装置を今も残す現存最古の劇場。

改修工事直後の公演で、
演目は「再桜遇清水(さいかいざくらみそめのきよみず)」。

主演は、名優・中村吉右衛門。
枡席で息をのむように見守ったあの時間。
役者の声、花道を踏みしめる足音、客席の緊張と喝采——。
「古典とは、ただ古いのではない。
時代を超えて“生き残ったもの”なのだ」
当時のブログに、私はそう綴っています。
映画『国宝』ヒットの意味

昨年初夏の公開以来、快進撃を続けている国宝。
劇中に登場する金丸座は、
映画のヒットとともに再び注目を集め、
多くの観光客が訪れていると聞きます。
なぜ、これほどまでに人々の心を掴んだのか。
それはきっと、
「本物」への敬意
芸を極めることの峻厳さ
その果てに宿る凄まじい美
こうしたものが、現代人の心に
深く響いたからではないでしょうか。
効率や合理性が優先される時代だからこそ、
一つの道を命懸けで極める姿に、
私たちは胸を打たれるのかもしれません。
「願い」は、時を越えて届く

観劇の折、枡席でご一緒した
花川梅蝶師匠と古典芸能について語り合う機会がありました。
「当時、民衆が受けた喝采を、今の時代にどう伝えるか」
「伝統文化を残し、より多くの人に“分かって”もらいたい」
その言葉が、今も心に残っています。
映画『国宝』のヒットは、
そうした願いが、時代を越えて
少しずつ実を結び始めた証ではないでしょうか。
経営にも通じる「型」と「革新」
歌舞伎には厳格な「型」があります。
しかし、その型の中で役者は常に新しさを模索します。
これは経営にも通じます。
文化をつくり、戦略を描き、
そして文化と戦略を適合させ続ける。
四百年続く芸能が示しているのは、
「守るべきもの」と「変えるべきもの」を見極める力です。
2月20日、歌舞伎の日。
あらためて、日本が誇る伝統の奥深さと、
“本物”が持つ時間軸の長さに思いを馳せたいと思います。
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(※画像・史実出典:Wikipediaほか)