沖縄 伊是名島: 自転車でゆっくり回るサイクリング 島時間の中で感じた “ゆるい体験”**
投稿No:10394
伊是名島の思い出【リメイク記事】 菜の花ゆれる伊是名島をサイクリング ── 島時間の中で感じた “ゆるい冒険”**
菜の花ゆれる伊是名島をサイクリング
── 島時間の中で感じた “ゆるい冒険”**

沖縄本島の北にぽつんと浮かぶ伊是名島。
その島を、慣れない自転車で
アップダウンしながら巡った日。

目的地は、第一尚氏の祖・佐銘川大主が
築いたと言われる 伊是名城跡 です。

けれど、この日の旅は“名所巡り”以上に、
ただ島の空気に身を任せて漂ったような、
そんな贅沢な時間になりました。

■ 菜の花が島をつつむ春のサイクリング

ペダルを漕ぎながらふと顔を上げると、
どこを見ても 菜の花、菜の花、そしてまた菜の花。
南の島の春はゆるやかで、鮮やかで、どこか懐かしい。
「この島、退職したら移住したくなる気持ち、分かるね…」
と、片山正喜さんと話しながら進みます。

■ “大きなガジュマル” を探す小さな冒険

途中で “ロケマップ” を発見。
③番には「大きなガジュマル」と書かれているのに、
見渡してもそれらしい巨木がありません。

林の奥に入って探すか…どうするか…。
「今日はやめておこう」と判断し、次の名所へ。
こういう迷いもまた、旅の味わいです。
■ 二見ガ浦を一望できるシラサギ展望台へ

次に訪れたのは シラサギ展望台。
眼下に広がるのは、海ギタラ・陸ギタラ・マッテラの浜──
総称して 二見ガ浦海岸 と呼ばれる景勝地です。
このあたりの海は、透明で、静かで、
眺めているだけで心がゆるんでいきます。

ここで私は妄想をふくらませました。
「波の穏やかな日に、この浜から泳ぎ始めて、
向こうの 屋那覇島 まで泳いで渡ってみたいなぁ…」
途中はシュノーケリングをはさみ、
島に着いたら誰かが飲み物を持って待っていてくれる──
そんな夏の夢物語を語りながら、
島風に吹かれていました。
■ 伊是名島は“スポーツの島”

伊是名島では毎年10月に トライアスロン大会 があり、
島全体がランナー・スイマー・バイカーを応援するそうです。
自転車を漕いでいると、
「このあたり、きっと競技コースだよね」と想像しながら、
遠くで応援の声が聞こえてくるような気持ちになりました。
旅人の私たちにもエールを
送ってくれているような不思議な感覚でした。
■ 島の歴史が眠る「サムレー道」

途中で現れた サムレー道(旧街道) の入り口。
12〜13世紀ごろから使われていた生活道路で、
並ぶ石が“武士の足あと=サムライ →
サムレー”に似ていることから

その名がついたと言われています。
今回は入口だけ見学。
次の訪問ではぜひ歩いてみたい歴史の道です。
■ 小さなお城「伊是名城跡」へ

ようやく目的地に到着。
伊是名城は規模こそ大きくないものの、
島の歴史の象徴として静かに佇んでいます。

石段に近づくと、
ここで暮らした人々の息づかいが
ゆっくりと時間を超えて感じられるようでした。
■ 菜の花の道を抜けて仲田港へ
伊是名玉御殿(たまうどぅん)を過ぎ、
仲田港へ向かう海沿いの道。
細長い畑にはのんびりと菜の花が咲き、
ところどころ手入れが追いつかない畑もあって、

それがまた“島らしさ”として微笑ましく映ります。
時間も、仕事も、何もかもが本島より少し遅く進む──
それが伊是名島の魅力なのだと感じました。
■ 旅のまとめ

伊是名島は、“観光名所を巡る島”というより
風景・空気・時間そのものを味わう島 です。
自転車で走れば、
ゆるいアップダウンも、潮風も、菜の花の香りも、
すべてが旅の一部となり、体で覚えていく。

観光地を巡るというより、
島の中に溶け込んでいくような体験 でした。
また季節を変えて訪れたい──
そんな気持ちにさせてくれる、
穏やかな大人の島旅でした。