起業したい! 似たもの同士の3人組  衝撃の結末 【社長経営学】シリーズ 8

投稿No:9590

独立希望同士の3人組の付き合い 衝撃の結末 【社長経営学】シリーズ 8

会社に入って数年すると、

話が合う、一緒にいておもしろい、

考え方が似ていると言った

先輩・後輩の友人が出来てきました。

特に仲良くなったのが、

一年先輩の高砂さん(仮名)と

一年後輩の板川(仮名)さんです。

高砂さん、板川さんと私の3人は

仕事が終わったあと、

よく飲みに行くようになりました。

話が合うというのは、

3人とも将来起業してビジネスを

始めたいという志です。

会社を辞めて 起業すると思えば

まずは何をするのか、

何をしたいのかという事業を見つけることです。

3人とも資産を持っているわけではないので

いきなり会社を作ったり、

お店を開いたりすることはできません。

一番理想的なのは、3人が揃って、

同志となって会社を作ることですが、

それぞれ考え方に違いがあって

同じ仕事を始めるというのは難しいようでした。

週刊誌の人気記事は起業

週刊誌の記事のなかで、

人気のある記事は起業する記事でした。

サラリーマンを辞めて、

自分で独立するという内容の記事です。

成功事例が詳しく書かれていて、

読むと自分も起業したくなるように

興奮させる内容の記事でした。

会社の中でも、世間一般でも、

何かで起業したいと思っている人が

多いことに気がつきました。

今の時代なら、ベンチャー志向です。

ある先輩の家に遊びに行ったとき、

部屋の机の上に税理士試験の

過去問題が積んでありました。

この先輩は、毎年一科目ずつでも

試験科目に合格して、

将来的には税理士の資格を

目指していることが伝わってきました。

宅建を勉強して、不動産関係の仕事を

司法書士、行政書士などの司法関係で起業を考えて

いる人も多くいるようでした。

数年後、仲良し3人は

それぞれ別の道を目指して退職しました。

高砂さんは税理士の道を目指して、退職し

学校に通って税理士の勉強を進めていました。

数年苦学して、開業できました。

しかし、資格を取っても

士業で顧問先を開拓することは大変でした。

驚いたのは板川さんのしたことです。

板川さんは、私より1年後輩でしたが、

とっても大胆な計画を実行しました。

ある取引先と結託して、取り込み詐欺

主犯の取引先から10億円ほどの架空注文を受け

その注文を大手商社へ10億円相当の鋼材を注文し、

仕入れた鋼材を転売して、

仕入れ先の大手商社には

取り込み詐欺をして、

支払いの月末前に、逃亡してしまったのです。

逃亡前に、我が家に泊まりに来て その後行方不明

主犯は、板川さんではありませんでしたが

板川さんは、10億円の仕入を

大手商社に負わせて逃げてしまったのです。

10億円のうち、

どのくらい分け前をもらったのかはわかりません。

彼はその後、何十年か行方不明になっていました。

取り込み詐欺を決行する前日には、

私の家に泊まりに来て、

彼としては、私との最後の別れをしたようでしたが

私には、そんな取り込み計画や、

これがお別れになるとは全く感じることなく

平常心のまま、翌朝帰っていきました。

後から思えば、大した度胸だと感心したぐらいです。

私は二人の結婚相手の仲介役、

先輩の高砂さんも、後輩の板川さんも、

二人の結婚相手は私が仲介して

2人が結婚するように間を取り持ったので、

板川さんの残された家族のことが

とても気になりました。

板川さんの奥さんに尋ねても、

どこに板川さんがいったのかは

知らないようなので、

子ども達がかわいそうに思えて

クリスマスの時には、

クリスマスプレゼントを贈り続けていました。

その後、何十年かして、突然、

ある日、板川さんの消息が分かったと、

高砂さんから電話がありました。

ある人の情報で板川さんの消息がわかりました。

意外に、大阪の近くで建売販売の

不動産会社を興していました。

海外に逃亡したと思っていたら、名前を変えて、

大阪の近くで不動産会社を経営していたのです。

本当か誤報か、高砂さんと一緒に

板川さんの会社をこっそり見に行きました。

外から見ると、大きなビルで

商売も繁盛しているようでした。

電話をして会いたいことを伝えると

板川さんは懐かしがってくれましたが

自分の過去のことを、周囲の人たちに

知られたくないことも多くあるので

昔の事を知っている人とは会いたくないと

再会を拒否されました。

海外に行って帰ってこれないと

思ってみたり、もう死んだのではないか

と勝手な想像をしていましたが、

大胆にも取り込み詐欺をはたらいて

それを起業の元手にしていたことに驚きました。

こんな真似は私にはできません。

尋ねたかったこと

その後、何年かして、板川さんは亡くなりました。

今となっては、知りたかったことは

取り込み詐欺事件の真相でした。

事件の後、どこに身を隠していたのか

どうして、捕まらずに済んだのか

建売住宅販売を起業したいきさつなどです、

もう、彼はいなくなったので、教えてもらえません。

その後、彼の会社は倒産したようです。

社長経営学 シリーズ 9 へ続く

独立 関連記事 アーカイブ