揖保川の正起

梅雨もそろそろ明けそうな頃、揖保川の「正起」に行きました。

梅雨の始まりの頃は、今年は空梅雨かなと思うほど雨量が少なく、断水さえありそうな心配な状況でしたが、7月に入ると、神戸地方にも雨がよく降るようになり、どうやら断水の心配はなくなりました。

しかし、極端な渇水や集中的な暴雨では、天然の鮎は育ちにくく、6月の頃の鮎の成育状態は悪く、雨が集中したときには鮎は流されてしまうようで、最近漁業組合から10トンほどの放流があったそうです。

そうなると、今日の鮎は天然と言えるのか、やや頭をひねっています。

暑い日差しの中で、傘を頭にかぶり、清流に向かっておとりの鮎を泳がせながら、トモ釣りをして、鮎を釣っている人の様子が見えました。

釣った鮎は「正起」に持ってきて、買い取ってもらいます。買い取り価格は1匹600円ほどです。

適当に釣れると、釣り人はビクに入れた鮎を「正起」に向かって持ってきています。そのためにここが釣人の憩いの場所にもなっています。


 

外をずっと見ていると、ゴイ鷺が魚を狙ってじっとしている姿がありました。

見てて、ゴイ鷺は漁が決して上手とは言えないようです。じっと狙いを定めて川面を見ているものの、魚はあざ笑うように水面からジャンプしています。

何度か場所を移動してはじっと立ったまま、川面を見つめています。中々動かなくて、私もずっと、いつ獲るのかなと好奇心を持って見続けていました。

中々獲りません。そのうち、少し場所を移動して、そしてまた代わった場所でじっと水面を見つめています。

あちらこちらに場所を移動していきましたが、結局全然獲れませんでした。

詳しい人の話では、ゴイ鷺は鵜と組んで川上と川下で協力して、漁をするとうまくいくようです。

鵜が現れると、魚はパニック状態になり大慌てになり逃げようとします。そうなるとこれまで岩に隠れてとりにくかった魚も、ゴイ鷺は楽々と取れるようになり ます。

鵜は、ゴイ鷺が川面にくちばしを入れて魚を脅かせば、鵜にとっても魚が混乱した状態が続いて、漁が楽々とできるようです。

今日は、チームを組む鵜が見当たりません。ゴイ鷺だけで狙っているので、どうやら不漁のようです。自然界でも、勢子役とハンター役が役割分担をしてうまく獲物をしとめるような学習した方がうまくいくようです。結局のところ、ずっと見てても、このゴイ鷺は一匹の小魚さえ捕れませんでした。

2005年7月14日(木)