大阪ベンチャー研究会の設立総会
大阪ベンチャー研究会の旗揚げです。マーケティング研究と並んで、ベンチャー研究家でいらっしゃる小西一彦先生は、神戸商大を退官され兵庫県立大学経営学部の名誉教授となられました。
今春より大阪府茨木市にある追手門学院大学に移られ、学部生と大学院での経営学修士(MBA)を目指す大学院生に対して、今はマーケティングとベンチャー研究講座を受け持たれています。
小西一彦先生は神戸から大阪に移ったことにより、神戸商科大学の社会人大学院を中心としたMBA取得者を中心とした神戸ベンチャー研究会と同じように、大阪でも大阪ベンチャー研究会を新しく立ち上げる事になり、今日はその大阪ベンチャー研究会の発会式の日です。
小西一彦先生に学ぶ学部生、MBA取得者などの門下生を中心に、たくさんの方が今日の設立総会に集まりました。
小西一彦先生から、大阪ベンチャー研究会を立ち上げることになったこれまでの経過と、本日の大阪ベンチャー研究会設立についてのご案内がありました。
基調演説としては、元大阪ガスの副社長の山田廣則先生から「ベンチャー創業と日本的経営風土」の講演がありました。
山田廣則先生は、大阪ガスではたくさんの社内ベンチャーを立ち上げられました。山田廣則先生のことを、ミスター・ベンチャーと呼ばれるほどのたくさんのベンチャー企業の起業をされています。
山田廣則先生はパワーポイントを使って、大阪ガスで始めたベンチャー企業のたくさんの事例についてお話をされました。
松葉博雄は、大阪ガスがこんなにたくさんのベンチャー企業を社内ベンチャーという形で立ち上げていたことに驚きました。
最初、社内ベンチャー企業を始めた頃は、責任者としての社長を任命すると、左遷とか、お払い箱といったように、ベンチャー企業の責任者になることを降格人事と誤解されていたようです。
そこで、山田廣則先生は、一度ベンチャー企業に出向すると成果を出すまで自分で努力をし、親会社の大阪ガスを頼るな、資金は自分で調達し親会社に債務保証は頼るな、顧客はベンチャー企業が自ら獲得しろ…などの自立を促したそうです。
そこで、社内ベンチャーに出向する人たちは、退路を断たれ、自らが社内ベンチャーを成功させなければ本当に路頭に迷うと、覚悟を決めてベンチャーに取り組むようになったそうです。
ベンチャー企業は、その後徐々に成長を遂げ、大阪ガスとは別におよそ130社のベンチャー企業が育ちました。
2004年度には、総売上は約4071億円、従業員は1万575名(うち出向者1791名)、社内ベンチャー企業数128社にまで成長しています。ここまでくると、もう社内ベンチャーに応募する人も、指名された人も、社内ベンチャーの存在を認めるようになりました。
今の大阪ガスの社長も、社内ベンチャーに出向し、10数年も社内ベンチャー企業に在籍していて、その後本社の大阪ガスへ戻った方だそうです。
講演の概要は、
1)大阪ガスの社内ベンチャー創業の経緯
2)社内ベンチャーから学んだこと
3)社内ベンチャー制度成功のポイント
4)実体験からの私の感想
5)社内ベンチャーを育てる日本的経営土壌
以上のように、山田廣則先生の講演はベンチャーづくしの内容で、ベンチャーを研究する人、ベンチャーを志す人、ベンチャーを育てる人にとって、とても有益な講演でした。
今日の大阪ベンチャー研究会の基調講演が終わって、グループ討議になりました。3つに分かれてベンチャー企業の持つ問題点について討論をしました。
1)ベンチャー企業の人材育成グループ
2)ベンチャー企業マネジメント・ビジネスモデル
3)ベンチャー・ネットワーク形成
松葉博雄は、ベンチャー企業の問題点の中の一つであるベンチャー企業の人材育成グループに入り、ベンチャー企業の社員教育について討論するチームに入りました。
グループの取りまとめは、神戸商科大学大学院MBAの前俊雄さんです。
MBAの前俊雄さんの他、神戸商科大学大学院のMBA取得者は、平山弘先生、鴻雅行さんが参加されていました。
会場内を見渡せば、MBAの方が何人も参加されて、顔なじみの方も多くいらっしゃいました。神戸ベンチャー研究会からは、代表世話人の藤川彰一教授がご挨拶に来られていました。
2005年10月28日