国宝・東大寺の「奈良の大仏」と二月堂、奈良町を散策 古都・奈良散策(2)【従業員投稿】
奈良ホテルでランチを満喫した後は、東大寺に向かいます。東大寺に行く途中に、奈良国立博物館があります。
今回は特別展をしていなかったので、中には入りませんでしたが、新館もあって、とても大きな博物館です。
奈良国立美術館の前の公園にも、たくさんの鹿がいましたが、グループでいるところから少し離れたところに、何頭か鹿がいました。
「なんで、こんなところにいるんだろう?」と思っていたら、すぐ側の道のところで、鹿せんべいを売っている出店がありました。鹿せんべいを買う人を待っているようです。
東大寺に到着すると、南大門までまっすぐな道が続き、その脇にはお土産屋さんが並んでいます。お土産物屋さんで鹿煎餅を買っていると、音もなく近づいてくる鹿がいました。
すると、お店のおじさんに、「この鹿は、奈良中でいちばんタチの悪い鹿やから、はよ逃げ!」と言われました。どこの世界にも、こういうタイプがいるようです。
大きな参道の正面には、南大門があります。中国の宋から伝えられた建築様式といわれる大仏様(天竺様)を採用した建築物で、現在は国宝になっています。
門内には、高さ8.4メートルの巨大な木像の木造金剛力士立像(国宝)が安置されています。門の向かって右側が、口を閉じた像の吽形(うんぎょう)、左側が口を開いた像阿形(あぎょう)です。
大仏殿の前で友人と待ち合わせをしていたので、ここからは友人のガイド付きです。大仏殿の正面に立つ燈籠は、金銅八角燈籠という国宝です。たびたび修理されていますが、基本的には奈良時代創建時のものだそうです。
東大寺は、「奈良の大仏さん」として有名ですが、この「大仏さん」は、正しくは「東大寺盧舎那仏像(とうだいじるしゃなぶつぞう)」と言います。
「大仏さん」がいる大仏殿は、世界最大の木造建築物です。その中にある大仏も、金銅仏としては世界最大の大きさです。大仏は、聖武天皇の発願で天平17年(745年)に作り始められ、天平勝宝4年(752年)に開眼供養会が行われました。
ただ、現存する像は何度も補修を繰り返されていて、当初の部分は台座、お腹、指の一部など、ほんの一部だけだそうです。
「奈良の大仏」は、高岡の大仏、鎌倉の大仏と並ぶ、「日本三大仏」の一つで、国宝であり、世界遺産にも登録されています。
大仏殿にある柱の穴は、大仏の鼻の穴と同じ大きさで、穴に入っている子供の姿は、ほのぼのとした気分にさせてくれます。
たまに、大柄な人が通り抜けようとして、詰まってしまうこともあるとか…。
大仏殿の入り口に向かって右側に、賓頭盧(びんずる)尊者があります。見落としがちですが、木造で江戸時代に作られたもので、「具合の悪いところと同じ部分を撫でると治る」と信じられいて、撫仏(なでほとけ)とも呼びます。
ただ、高いところにあるので、頭には届かず、がんばっても手首までしか届きません…。
大仏殿から伸びる道は、何気なく歩いている人も多いですが、意味があります。この道に敷かれているタイルは、それぞれインド・中国・韓国・日本の石で作られたもので、仏教伝来の順番を表しているそうです。
大仏殿の後は、「お水取り」で有名な二月堂に行きます。階段や坂道を歩いていくので、とてもいい運動になります。
二月堂に辿り着くと、息が切れていましたが、古都奈良を一望できる景色には、思わず疲れも忘れてしまいます。
二月堂から降りるときに通る通路は、「お水取り」のときに松明を持って駆け上がる通る道です。壁や天井には、その時のすすが残っていました。
東大寺はとても広くて、敷地内には、ツバキやヤマザクラが咲いていました。
大勢の観光客で賑わう中、熱心にカメラのシャッターを切るカメラマンもいました。
東大寺の後は、奈良町へ向かいます。奈良は狭い町なので、バスなどを使わなくても歩いて行くことが出来るのが、いいところです。
でも、さすがに朝からずっと歩いていて、だんだんと足が疲れてきたので、休憩をすることにしました。
行こうと思っていた甘味処がお休みだったので、近くの「あしびの郷・蔵」に行きました。奈良の名物のくずきりとお茶のセットを頂きました。ここは、外のテラス席で食事やお茶を頂くこともできます。
奈良町は、猿沢池の南に広がる伝統建築群地域で、江戸・明治・昭和前期の町屋が立ち並ぶ、レトロな雰囲気を持つ町です。
「奈良町資料館」の入り口には、幸せをよぶ赤いぬいぐるみのお猿さんが、たくさんぶら下っています。
これは、「庚申(こうしん)さん」のお使いの猿を型どったお守りで、魔除けを意味します。災いを代わりに受けてくださることから「身代り猿」と呼ばれています。
この「お猿さん」は、奈良町のお店や家の軒先に、よく吊るされています。
藤岡漢方薬局の前を通ると、漢方薬の匂いが漂ってきます。中には調剤薬局がありました。蚊帳(かや)を売っている「吉田蚊帳」では、蚊帳はもちろんですが、ふきんも売っていました。
「ならまち格子の家」は、無料で中に入ることができます。
格子は、外からは見えにくく、中からはよく見えます。
むしこ窓があり、どっしりとした格子戸、そして奥行きの深い奈良町の伝統的な町家を再現した家です。
懐かしい感じがして、昔よく行っていたおばあちゃんの家を思い出しました。
「砂糖傳」では、黒砂糖や、米を原料として麦芽で糖化した「御門米飴」などが売られています。
「御門米飴」の文字は東大寺の長老、清水公照師の筆だそうです。
街を歩いていると、郵便局がありました。ここにも、「身代わり猿」が吊るされています。
そして、お店や家の軒先には、「子ども安全の家」という旗が掲げられています。
良く見ると、「大仏さん」と「鹿くん」でした。奈良らしい旗です。
久しぶりに訪れた奈良は、京都とはまた違う古都を感じることが出来ました。
暑くもなく、寒くもない、春の心地よい風を感じながら散策すると、日頃の疲れやストレスは飛んでしまいます。
また、違う季節に、ゆっくりと奈良の町を歩きたいと思います。