稲葉家本家の屋敷と家財は、京丹後市に寄贈されました。久美浜訪問記(6)
久美浜の稲葉家住宅は、文化庁の登録有形文化財に指定されています。 久美浜訪問記(6)
稲葉家本家の分家、ひがしさんのところで、お喋りが続き、そろそろ夕ご飯時になったので、失礼をして、yukiちゃんのお家に戻り、荷物を置くと、これから今夜の食事処、「古谷屋(ふるたにや)」に向かいます。
古谷屋さんは、稲葉家本家の法事があったときには、法事の後の会食に使うお店だそうです。
お店に上がると、個室に通されました。
廊下には、古い浮世絵を貼り合わせた、屏風がありました。
喜多川歌麿の木版画です。作品名は分かりませんが、歌麿が好んでよくモチーフに使う、髪結いの一場面が描かれています。
個室からはお庭が見えて、その先には久美浜の海も見えます。
この庭では、食材持ち込み、コンロ貸し出し有りで、バーベキューも出来るそうです。
夕食は、古谷屋自慢の旬会席料理です。
魚は地元で捕れたものを使っているそうです。
夏らしい色合いの小鉢や皿に、少しずつ、お料理が盛りつけられています。
yukiちゃんとは、昨年の秋に会って以来です。yukiちゃんは、昨年ご主人を亡くされ、今年は初盆になります。何しろ、稲葉家本家のご先祖様を守るとなると、お盆の頃はどこにも行けません。
yukiちゃんのご主人は稲葉家本家の当主でもあり、元岡山大学農学部学部長を務めていた学者でもあります。
岡山大学の教授としての定年の後は、趣味の生活を楽しく送ってたそうです。
松葉博雄が話を聞いて、偉いなぁと思ったのは、国登録有形文化財に指定された、稲葉家本家を、個人の所有物から京丹後市に寄贈した事です。
重要な文化財は、個人で維持できるものではありません。特に、不動産の場合は、維持管理が大変です。
yukiちゃんの話では、夏になると、いつも広いお庭の草むしりを、毎日毎日していたそうです。
ご主人が決断して、京丹後市に屋敷を寄贈したことで、草むしりから解放されたそうです。
まだ、開けたこともない蔵もあったそうです。
蔵を開けると、豪商稲葉家が集めた、家財、骨董品、美術品、刀、武具、皿、壺、絵画などがいっぱい詰まっていたそうです。
小さな財産争いで悩んでいる人が聞けば、驚くような太っ腹な話です。
文化財をつけて、蔵の宝物を付けて、屋敷の家財を付けて、2001年に京丹後市に寄付したそうです。
yukiちゃんのご主人にお会いしないままでしたが、ログハウスに戻って、愛用の自分で作ったという家具の椅子の上に、大学教授の頃の写真を置いて、初盆らしい生前の話をいろいろ聞かせてもらいました。
中でも、松葉博雄が負けていたのは、お酒の量です。
ウイスキー、ワイン、日本酒、ビールなどをぐいぐい飲んで、楽しい話をしていたそうです。
遠くから、花火の音のような、響きが聞こえて、これはたまらなくなって、花火を追って、久美浜の海の方に行ってみる事にしました。この近くには、大きな天橋立に対して、小さな天橋立の小天橋があります。
2013年8月7日(水)
“稲葉家本家の屋敷と家財は、京丹後市に寄贈されました。久美浜訪問記(6)” に対して1件のコメントがあります。
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今日もまた更新。本当に私の知らない?驚くばかりの取材力でいつの間に写真まで。おくさまの協力も大ですね。昨日のパソコン教室のお蔭でコメント送ることが出来て嬉しい。博ちゃんのウェブサイトを見る為に通ったような気がしてきました。なによりこんなに多くのファンが覗くのを楽しみにしているなんてすごい!がんばって。