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沖縄県本部町伊豆味ユートピア牧場のエスカルゴ夫妻を尋ねて その2
〜雪の秋田を避けて鹿児島経由で沖縄本部港へ車で家巣軽GO(エスカルゴ)〜
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【後半】
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2004年の晩秋、11月になると、そろそろ寒さの身に染みる頃になります。ツバメが夏が終わると南の国へ旅立つように、エスカルゴご夫妻は秋田をワゴンカーで出て、なるべく車の交通量が少ない道を選びながら木曽路を通り、中部地方を経由し、京都府に周り、岡山を経由し、四国に渡りました。
愛媛からは九州へフェリーで渡り、鹿児島では、毎年ここで出会う顔なじみの渡り鳥のグループとしばらく一緒に過ごしたそうです。
鹿児島から沖縄の本部(もとぶ)港へ渡ると、フェリー代は人と車で片道7万5千円もかかるそうです。
寂しいことにこの往復フェリーが高いため、鹿児島で越冬をするグループも多いという話でした。きっと、フェリーの岸壁ではフェリーに乗って沖縄へ渡る人と、鹿児島の岸壁で見送る人が別れ別れになって、手を振って見送られたのでしょうねえ。
2005年の正月を終えて2月になった時に、取引先の槙さんから、こんな熟年夫婦の過ごし方がありますよという事例として、テレビで見たエスカルゴ夫妻の話に感動したという話が出ました。
一瞬、私が以前に槙さんにこの話をしたのかなと、思いました。物忘れが多いので、自分の言ったことも忘れてしまうことがあるからです。
しかし、話を聞いてみると私から聞いた話ではなくて、テレビで紹介された話を槙さんは私が知らないで、知るときっと羨ましがるとか、参考になるからと思って、話題にされたようでした。
やはり羨ましいような冬の過ごし方をしているように紹介されたそうです。
沖縄の魅力と言えば、恩納村から本部(もとぶ)を経由し、伊豆味のユートピア牧場に来る道すがらでさえ、たくさんの植物や花、景色などを見てきました。
とても好奇心がわき、車を止めては写真を撮り、そのなかで名前もわからないまま美しさに感動した花を紹介します。
秋田の寒い雪の中で過ごす冬よりも、沖縄の緑あふれる暖かい花と自然の中で過ごす方がきっと体にいいはずです。
でも、ここまで家を不在にして長期間沖縄で過ごせるような仕組みを作るまでには偶然だけでなく、エスカルゴ夫妻の隠れた努力があるはずです。
ちょっと考えてみても、
1.留守を託すことができている。
2.夫婦仲がいい。
3.健康であり、車の運転が長時間できる。
4.好奇心が強い。
これらが満たされなければ、例えばもし夫婦仲が悪ければ、家を出て1時間もすれば喧嘩して「おまえなんかと行きたくない」と決裂し、戻ってくることになります。
留守番をしてくれる家族や身内の人が、温かく送り出してくれる必要があります。帰ってみるともう自分の居所がなくなっているようでは、安心して出られません。
若いときから兼業農家をし、毎朝の家畜の世話とか畑仕事で体を鍛えていて、随分と健康に対し注意をはらい定期的な健康診断を受けているようです。
秋田の冬の過ごし方は、これまでは自然に対して耐えることが常識のようでした。雪が溶けるまで、畑仕事ができるようになるまで、とにかく待つという辛抱強さが、東北・北陸・山陰の豪雪地帯の方にはあります。ご近所の家を一軒一軒、交代で訪ねて回り、お茶と漬物のなどのお茶請けで世間話をしながら、長い冬を過ごすのがこれまでのやり方のようでした。
しかしエスカルゴ夫妻はそれでは飽き足りず、雪のときは雪のない暖かい沖縄に目を向け、沖縄で過ごすために仕事を探し、牧場の牛の世話をする仕事を見つけました。これも好奇心があり、とにかく沖縄に行きたいという熱意が根底にあればこそです。
(以前に読んだ新聞にも同じようなことが書いてありました)
今年は、ユートピア牧場で牛の世話をすることは、牧場主さんが「もうゆっくりしてもらったらいいから」という好意で牧場の朝の牛の世話はしなくなったようです。
一時間ほどお邪魔をして、お茶も戴き、世間話と沖縄の話に花が咲き、またの再会を約束して失礼しました。