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1994年9月の沖縄県 Part3〜安室島沖のシュノーケリング〜
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ガイトブックやダイビングの案内には、座間味の海について飾りきれないほどの美しい海についての言葉が続きます。
しかし、言葉は言葉であって、美しいとか綺麗とか感動を誘う言葉を聞くよりは、やはり水中に入ってみると、その美しさをより実感できます。
9月の海はアクアラングの服(ウエットスーツ)を着なくても寒さも感じませんでした。カメラを持ってシュノーケルで深く息を吸い込んで頭から海中に直角になるような格好で海に向かって潜っていきます。
浮力を相殺する鉛のベルトがあれば浮力の抵抗を受けることはないのですが、浮力に負けないように足を強くキックして潜っていきます。
珊瑚礁の岩組みには、イソギンチャクが足場を作り、根を張り、大きな茂みが風に揺れるように潮に揺れています。
イソギンチャクが見つかればその近くにはきっとクマノミがいます。また、クマノミを見つければその近くにはきっとイソギンチャクが見つかります。
クマノミを見つけると、クマノミは危険を感じてさっとイソギンチャクの茂みの中に逃げ込んで、体勢を入れ替えて茂みの中からこちらを見つめています。
何匹かのクマノミが代わる代わるイソギンチャクの茂みの中に出たり入ったり、忙しそうに行動しています。これはクマノミがイソギンチャクに餌を運んでいるのかもしれません。
イソギンチャクには毒性が触手にあるのですが、クマノミは特殊な防御法があり、イソギンチャクの毒性に影響されていません。
1つのイソギンチャクのように見えましたが、さらに観察をしてみると、いくつかの群生のように個々のイソギンチャクが密集していることが分かります。
いつも愛嬌があるのがムラサメモンガラです。
この陽気そうな服を着たムラサメモンガラは、とても好奇心が旺盛で、大抵一直線で逃げることはありません。ちょっと逃げては立ち止まり、こちらを窺い、こちらが深追いをしなければそのままじっとしています。
しかし、近づくとまた少し離れて立ち止まって、またこちらの様子を見ています。
以前、沖縄の水納島で捕まえたムラサメモンガラを空輸し、自宅で飼育したことがありました。
とても元気なモンガラは、一年以上も生き続けました。名前は「伊代ちゃん」です。「伊代ちゃん行けー」っと言って、餌を遠いところへ置くと、伊代ちゃんは餌に向かってまっしぐらに進んでいたことを思い出します。
ムラサメモンガラの見る目はやや批判的に斜めの視線で見つめています。何か批判を受けている様な気持ちにすらなります。しかし決して意地の悪い批判の目ではありません。少しからかわれているのかな、と思う程度の批判です。「そんなこと言ってもあんた本当にできるん?」といった感じです。
デバスズメの群れを見つけました。
珊瑚礁の海はまず陽が差し込む浅瀬に形成されます。陽が当たると曇り空から一転して珊瑚礁の海は明るく、その模様は同じ海とは思えないほどの陽気さの変わり方を感じます。
デバスズメの群れは1,000匹を超えるほどの大群で、群れの一瞬一瞬の切れ目のある行動はマスゲームを見るような美しさを見せてくれます。
突然、何かに驚いて方向転換をする時には、今まで見えなかった銀鱗の横腹のキラッとした輝きを見せてくれます。
浮上しては息をついで、またシュノーケリングでポイントを探しながら移動します。大きなテーブル珊瑚を見つけました。
テーブル珊瑚の周りにはチョウチョウウオ仲間であるニセフウライチョウチョウウオがぐるぐると旋回するように泳いでいます。
お花畑に蝶々が飛んでいる様な美しさです。
それぞれの魚は何か外敵が現れると、すぐに潜り込めるような珊瑚礁には逃げ場、隠れ場があります。
複雑に二重、三重と重なり合った珊瑚の岩礁の隙間に、これまで庭先で遊んでいた子供がさっと家の中に隠れるように、突然現れる外敵に対して、瞬間に逃げ場があります。
子供が遊んでいると時間を忘れるように、私の座間味の海でのシュノーケリングはいつのまにか予定の時間を超えていました。
仲間のいない一人旅なので、約束した時間までに帰らないと、宿の人が心配をしてくれることになるので、「時間が過ぎることを早いなぁ・・」と感じながら浜辺にあがりました。
皆さん、座間味の海はいいですよ。是非機会を作ってお越しください。
(・・・Part4に続く)