ダイビングをしているのはウエットスーツを干しているからすぐ分かります。ウエットスーツは大抵体型に対して、ぎりぎりに絞っているので、着るのも大変ですが脱ぐ時はもっと大変なことになります。
背中のファスナーを外す時は一人で外すことはできませんし、腕の袖を脱ぐ時も誰かに片方から引っ張ってもらわなければ自分一人でウエットスーツを脱ぐことはとても大変なのです。
私はダイビングの用意をしてきていませんでしたので、水中メガネとそれに付随したJの字型の息をする管とのセットからなるシュノーケリングの道具を借りて、一人古座間ビーチに行きました。
古座間ビーチは、向かいの安室島(あむろじま)の端っこの外白崎とは目と鼻の先にあり、ちょっと無理して泳げば安室島に上陸できそうな気がしました。
しかし、大きな看板が注意を呼びかけています。
「この近辺は海流が速いので、たとえ近くに見えても潮に流されると危険なので、遊泳禁止地域になっています。」
観光案内所を見ても、遊泳禁止としっかり注意が書かれていました。
泳いで渡ろうか、やめとこうか、かなり熟慮しましたが、妻や子の顔を思い出し、注意勧告に従って向こう島に泳いで渡ることをやめました。
今でもこの渡航をやめたことを勇気ある決断と思ってみたり、せっかくの機会を逸してしまったとの2つの反省に苛まれています。
海の水平線と島を水平な状態で見ると、安室島は本当に近く見えます。しかし、少し高いところから見ると、やや距離があることは分かりました。
直線距離だと3キロ以内に見えて、これなら海水の浮力の助けもあり、泳ぎきる自信はありますが、島と島の距離が短いほど、海流は強く流れているという問題があります。
例えば、明石海峡を考えてみると、明石と淡路の先端の岩屋との距離は3キロ程度です。これだと水泳の達者な人であれば、泳ぎきることはできるのですが、まだ明石海峡を泳ぎきったという事例が少ないか、あるいはいないかのようです。
明石海峡を海流が強く流れ、満ち潮、引き潮の時には、まっすぐ泳ぐことなどはとても無理なのです。このことを思い出し、 安室島に直線で泳げるとは思えませんし、潮の流れの速さは予測がつきません。
そこで、シュノーケリングをしながら少しだけ島へ近づいて写真に雰囲気を撮ってみました。
島と島の真ん中あたりに近づくと、確かに海流は速くなり、川が流れているような潮の流れがありました。
これに逆らうと泳いでも、泳いでも、目的地からは離れていくことになります。
これが遊泳禁止の原因なのです。
シュノーケリングでも十分珊瑚礁の魚を見ることができました。
(・・・Part3に続く)