学生時代から、まだパスポートのいる時代から、沖縄に憧れ続けていた松葉博雄からみると、最近の沖縄ブームは、起きるべくして起きたことと思っています。
沖縄に移住したい人や、沖縄が好きな人が増えてくるのは、結構なことです。実際、沖縄は沖縄であり、沖縄以外ではありません。気にしていることがSPAに掲載されていました。
それは、好きであることと、受け入れられることの違いが気がつかない人がいるという特集記事です。
週刊SPAの2005年9月27日号に、沖縄に移住して「アテ外れ」顛末記という内容で、沖縄研究が出ています。
近年、沖縄に新天地を求める方が増えています。ブームといっていいぐらいです。この背景には、都会の人間関係に疲れて、自分を癒してくれる場所を地方に求めていることにあります。
ところが、この中で挫折する方も増えているのです。そこで何が原因であるかということをSPAは研究・調査をしています。
沖縄で働く内地の人が増えてきた理由は何でしょうか。
本土でうまくいかないことを沖縄に求めて逃げているのであれば、それはだめだということです。そこには陥とし穴があるということです。
SPAによれば、原因の1つに沖縄の風習に早くなかなか慣れないということがあります。
都会で人間関係に馴染めなくなって、もっと人情のある地方を求めてみても、地元には地元の生活習慣があります。
それを理解したうえで自分の方から努力して近づかなければ、沖縄が自分に近づいてくれることはないと思います。
2つ目は、仕事がなかなか軌道にのらないということがあります。
沖縄県は海に囲まれ、本土とは距離があるために、仕事の流通がかなり制限を受けています。
そのために本土の労働環境とは、かなり違うことがあります。つまり、職場が少なく、土地の人でさえ、職場を確保することが難しいのです。
なのに本土から沖縄に移住すれば、沖縄の人たちと職場を巡ってのライバル関係になることです。
3つ目は、沖縄の人と仕事でうまく付き合うことが難しいという理由です。
沖縄に何度も行ってみると、沖縄の人たちが地元の言葉で話している会話を聞けば、なかなか意味は理解できず、まるで外国の会話のように聞こえます。
この中に入っていくことは、言葉を理解し、文化を知る必要があります。これがなかなか難しいのです。
4つ目は、夢を実現させるために憧れの地で就職してみると、実はそこに感覚の違いが出てきます。
沖縄が好きで、そこで生活をしようと思えば、その基盤となるためには収入の確保が必要です。
それは現地の沖縄の人たちとは協力関係になるか、あるいは商売敵になるか、ここが大きな分かれ目です。
誰でも家族を養い生活を安定させるためには、経済の安定が必要です。ところが、「経済は平時の戦争」と言われています。
つまるところ、戦争状態に入っていることが理解できなければ、こんなはずでは…と思うのも無理はありません。
5つ目は、土地の人となじめないという問題もあります。これは考え方の相違です。
大きな都市であれば、この人とうまくいかなくてもまた次の生活を変えるチャンスは沢山あります。
沖縄の地方に行けば、なかなかやり直しのチャンスは少なくなります。
沖縄の土地の人たちは、とてもよく面倒をみてくれますが、それがうっとうしくなったら、人間関係は逆に回転してしまいます。
最終的に結論は、甘えたらダメということになります。
1.自ら現地に溶け込む努力なしに移住成功はない。
2.友人なしに移住して成功するわけがない。
3.仕事のあてもなく移住してはならない。
この3つが大原則ということになっています。
以上の結論を読めば、なるほどなぁというしごく当たり前の結論です。それは新天地を目指してアメリカでも、ハワイでも、ヨーロッパでも同じことだと思います。