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[ 神戸市灘区 護国神社の夜桜見物 【前半】]


 2005年4月9日の夕暮れ時、近くの護国神社に奥さんと二人で夜桜見物に行ってきた時のことです。

 今年の桜は珍しく4月に入って9日になっても、まだ満開になっていません。

 昔は、学校の入学式の頃が桜の花の咲く頃でした。だから今年がこれまでのようであり、それが地球温暖化のためにだんだんと早くなっていると言えます。


 灘区には篠原本町通という桜並木があります。ここは街路樹に桜が植えられ、左右の歩道からは見事な桜が見物できます。

 この篠原本町3丁目の護国神社前には早くも沢山の人が集まっていました。

 テレビで見る東京の上野の桜見物や、大阪の大阪城の桜見物に比べると、とても静かで落ち着きのあるお花見模様です。

 神社の境内の石段を上がっていくと、右手のほうに常夜灯の明かりとちょうちんに輝く桜が見えます。

 護国神社でお花見をするときは、神社の社務所に行けば、ござを貸してくれます。このござを下に敷いて、持ってきたお弁当やお酒を頂くことになります。


 私は、突然の思いつきだったので、お弁当は用意できていません。しかし、忘れないでビールだけはしっかりと冷蔵庫から取り出して袋に入れて持ってきました。

 そこで、まずは花見の前の腹ごしらえです。屋台が出ています。焼そばを注文しました。ここの焼そばの珍しいところは、キャベツが入っているだけの焼そばでした。あまりこういうキャベツだけの焼そばを食べたことがありません。300円でした。

 家から持ってきたビールで乾杯し、しばし回りを見てみました。隣の席では、おじいちゃんに連れてきてもらっている小学生の低学年の二人の子どもが、金魚すくいで捕った金魚をビニール袋に入れて持っています。

 「ぼうや、この金魚をいくらぐらいお金をかけて捕ったん?」と、尋ねてみると、子供よりはおじいちゃんのほうが「それが、高かったんですわ。金魚屋に行って買ったほうが安いんです」と言って、大笑いになりました。

 屋台を離れてしばし見物客を見物してまいりました。いる、いる、沢山の人が夜桜を見ていました。他の所にも屋台も出ています。まだ残っているビールを飲んで、少しゆっくり花を見ることにしました。まず、一輪の美しさをめでてみます。


 今夜はまだ七分咲き、八分咲きというところでしょうか。これからの余力を残したところの花の美しさです。