仕事に追われて家に帰ってきても食事の用意が出来ていないことがあります。
こんな時にお向かいのTさんから晩御飯が届くととっても嬉しくなります。今晩いただいたお料理は、飛龍頭(がんもどき)の煮物、一口トンカツ、トマトです。
Tさんのお宅のトンカツは、油を頻繁に取り替えているようで油がしつこくなく、くさみもなく、胃にもたれることがありません。
トマトは、星の形をした艶のいいトマトで、これはきっと水耕栽培で作った「桃太郎」ではないかと味わいました。糖度も高く、夏のトマトに味は劣りません。夏の自然のトマトと違う点は、強烈なトマトの香りがあるかないかだけです。ごちそうさまでした。
3月に入った所為か、春を告げる垂水漁港で水揚げされたイカナゴのくぎ煮が、もう一軒別のSさんのお宅からも届きました。この時期、一番の初物となりました。
お皿に盛り付けて食卓に並べてみました。初物なので仏前にもお供えしました。
マーケティング研究会で知った話ですが、神戸名産「イカナゴのくぎ煮」は、株式会社 伍魚福さんが付けた名前ということです。
くぎ煮の意味は、イカナゴが折れたクギのように見えること、あるいは、くぎ煮を炊く時に錆びた古釘を一緒に炊くことで色と艶を出すことが出来るから、という理由があるようです。
味わいは甘辛く、生姜もピリっと効いてご飯によく合いました。ごちそうさまでした。
良いことは中々続かないものですが、今日はイカナゴのクギ煮をいただくことが続いてありました。
社員のOさんの実家からイカナゴのクギ煮をいただきました。この春一番のくぎ煮でした。
昨年いただいた時に、とっても美味しかったので私の喜ぶ顔を覚えて頂いていたのか、今年もいただきました。
イカナゴのクギ煮は、基本的には、鍋にイカナゴの稚魚を入れ、醤油、砂糖、生姜で味付けします。(この時に決してイカナゴを混ぜてはいけません)
Oさん宅の味にはこの他に何か秘伝の味付けがあるように思います。予想ですが、山椒が少し入っているのではないかと思います。
垂水、明石、加古川辺りの近海では、これからはイカナゴの稚魚漁がにぎやかになります。
神戸のおふくろの味と言われる「イカナゴのクギ煮」は、日持ちがする珍味として昔から神戸の船乗りのお昼のお供になってきたと、名前を名づけた伍魚福さんから直接聞いたことがあります。
さらにもう一つ良いことが続きました。
社員のSさんがカレーを作って持ってきて下さいました。お家から重いカレーをわざわざ持って出勤して頂いたことなので、ありがたくいただきました。
このカレーのお肉は、八百丑のスジ肉をやわらかくなるまで長時間煮込んでいますので、硬くもなくカレーの辛さをお肉のジューシーな肉汁が中和して、とってもマイルドな優しい味わいのカレーでした。
一度鍋に移して加熱してからご飯にかけました。
らっきょは鳥取砂丘へ行った時にお土産に買っていた瓶詰がありましたのでこれを添えました。
今日の隣の晩御飯はこのように二つの違った味のイカナゴのクギ煮と、一口トンカツ、さらにライスカレーと絢爛豪華な食卓となりました。
いつものようにりんりんは匂いをかぎつけてテーブルの下で何かいただけるのを辛抱強く待っています。