お店の人はラーメン鉢を前におくと、暖簾を閉めてしまいます。さきほどちょっと見えた景色が見えなくなってしまいました。
店の言い分は、ラーメンに集中して食べるというために、視界を遮っておくということでした。
右も左も、横は仕切りがあり、前には暖簾の目隠しがあり、後ろの背中は、人がやっと通れるほどの隙間しかなく、これは、オーナーの言うとおり、全ての世界の関心事から隔離して、ただただ目の前のラーメンに向かい合うという思惑通りになっています。
しかし、そのために悪いことがどんどん目に付いてきます。価格、味、鉢の形、食べ勝手、雰囲気、暖簾に隠れた店員の会話などの欠点が否応無く気づきます。