檜は、かつては市場価格は高く、一本売ればしばらくは食べられると言うほどの山林主の金脈の時代がありました。今は檜を伐採しても、これを切り出して製材し、消費地に運ぶだけでも人件費がかなりかかり、船で入ってくる輸入木材に価格が対抗できない時代になっているそうでした。
豊楽は広くて、老舗の雰囲気を持っていますが、老舗という事は設備は老朽化することであり、それだけに新しい設備の競合企業とは競争が不利になるはずです。
広い設備をリニューアルするには、何億円かかかるでしょう。それをまた回収するとなると、更にたくさんのお客様に来て頂かなければなりません。
そうすると人件費もいるでしょうから、私だったらどうしようかなぁ、どうしたらマーケティングがうまくいくかなぁ、と頼まれもしないのに、旅館の経営を頭の中で勝手に考えてみました。
自然に囲まれて、自然志向の顧客にはたまらない魅力があっても、旅館の業務は施設の維持だけでも人手がいり、女将さんを見てても仕事は山ほどあるようで、やはり私には無理かなぁと思いながら、お店を出ました。
女将さんは、冬はぼたん鍋もあります、と、私にリピートを勧めてくれています。
もう一度下の渓流を見るために降りて、川の流れをしばし見とれていました。