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[かわいそうな りんりん] 
2004年の9月、りんりんのオーナーがやっと夏休みが取れました。
研修医はとても過激なスケジュールで、休日も出勤あり、帰りは夜遅く、当直もしょっちゅうあります。

りんりんはいつも帰りを玄関で耳を澄まして足音に全神経を集中しています。

せっかく取れた休暇は、友達と皆さんで旅行に行くことになりました。
ここから、りんりんの寂しさの始まりです。ずっと玄関で待っています。

3日目の夜には、とうとう辛そうに狼の遠吠えのような長い鳴き声で「ウォ〜」と遠くの人に呼びかけるように、深夜鳴き始めました。
ご近所にも迷惑なので、驚いてりんりんをなだめ、その場は取り繕いました。

犬も辛いことがあると夜中に起き出して、堪え切れずに泣くのだ、という事を知りました。
本当に純粋な気持ちに感動しました。


オーナーが旅行から帰ってきた時は大変でした。
全身を摺り寄せて「どこに行ってたの?」、「どうして帰ってこなかったの?」と言うように、淋しさを訴えているようでした。

旅行の荷物を取り出し始めると、りんりんは麻薬犬のように荷物を嗅ぎ回っています。特に関心を示したのは、インスタントラーメン「大碗麺」でした。りんりんにとってみると、麻薬を発見したようなつもりです。



その後トランクを開けておいたら、りんりんはその中に入って「今度はボクもついて行く!」と言っています。
かわいそうなりんりんでした。