こちらのページは新しい松葉博雄のブロ
グページに移動
します。
移動しない場合はこちらから
こごめ桜 続報
<2005年3月31日(木)AM8:45頃撮影>
モーパッサンは小説で「女の一生」を書きました。花にも艶やかな花の一生があります。
少しずつ春を感じ、恥らうような咲き方から徐々に五分咲きに進み、そして満開へと花開いてきています。
吉田兼好は徒然草で、「花は盛りに見るものかや」と書きました。 確かに満開だけが花の美しさではありません。
つぼみの頃の美しさ、風に吹かれて散っていくときの哀れをさそう美しさなども、それぞれの美しさを持っています。
<2005年3月31日(木)PM15:40頃撮影>
今日の朝から見ると、もうわずかな時間の間に花の咲き方に変化が表れています。
ズームアップをし、一つの花に焦点を当てて、花の言葉を聞いてみたいと思います。
聞こえました。「見て、見て、私ってきれいでしょ」と言っているようです。
<2005年3月31日(木)PM19:30頃撮影>
さらに日が沈み、暗闇の中でフラッシュを焚き、周囲の雑音を消して花の声を聞いてみました。
すると、花は「私って、めちゃめちゃきれいでしょ。誰かに見てもらいたくて咲いているのよ」と言う声が聞こえました。
全体を見渡すように、少しカメラを後に引いてみると、先ほどの私が、私がという声が、すっかり聞こえなくなり、なんだか無言の集まりのようになっていました。
<2005年4月1日(金)AM8:25頃撮影>
今日の朝は、気温が上昇しそうな穏やかなお天気です。
昨夜の春の宵の一夜を、桜たちはどんなに楽しく過ごしたのでしょうか。一年に一度、やっと咲いた春の宵の一夜をきっと精一杯楽しんだのではないかと思います。
これだけ花が枝を飾れば、小鳥や羽の生えた蝶たちはこの美しさに引き寄せられ、きっと花のめしべに接吻したはずです。この花と蝶の恋はどのように実るのでしょうか。
<2005年4月2日(土)AM8:25頃撮影>
さて、艶やかさは今が盛りでしょうか。それとももっと美しくなるのでしょうか
花の後の影にまだつぼみがわずかに残っています。このつぼみが次の艶やかさを見せてくれる頃には、早咲きに咲いた花びらはそろそろ風を受けて飛んでいく頃になるのでしょうか。
そろそろ、どの花びらが美しいか、こごめ桜の美の饗宴にも少し評価をしてあげる時期が近づいています。
この花も、あの花も、どれもこれも美し過ぎて答えに困ってしまいます。
<2005年4月3日(日)AM10:25頃撮影>
一つ一つのつぼみが咲きそろうと、もう綿のような塊になり、向こうの方が見通せないほどになりました。
このこごめ桜をデザインして、赤い布地に白い花を咲かせ、美しい乙女に着せてみればきっと日本の美の伝統が蘇るのではないかと思ってしまいます。
<2005年4月4日(月)AM7:35頃撮影>
こごめ桜は風もないせいなのか、なかなか散りません。もちろん散って欲しくはありません。
今日咲いているから明日も…と思っているうちにいつか朝起きて見れば、夕べの風があのかわいらしいこごめ桜の花びらをどこかに連れて行ってしまうのでしょうか。
今年のこごめ桜の美しさはしっかりと記憶に残し、そしてデジタル上でたくさんの皆さんからその美しさを愛でてやっていただければ、きっとこごめ桜は私に「ありがとう」と言ってくれると思います。
|