沖縄の門中墓 みんなで一緒に お墓を共有する お墓にお詣りする 

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沖縄の門中墓 みんなで一緒に お墓を守る 沖縄では、お墓は一族全体で一つのお墓を守っていきます。 第172回沖縄訪問(6)

みんなで一緒に お墓詣り

今日は恩納村前兼久地区の 清明祭(シーミー)の日です。

沖縄は門中制度、沖縄の方言で「ムンチュー」

という父系の直系血族が一族の長として

継承していくことが習わしになっています。

門中制度ではお墓を共用するという

慣習だったためお墓を大きく作る風習がありました。

みんなで一緒に、お墓を作り、

みんなで一緒にお墓を守り、

みんなで一緒にお墓を利用するために、

門中墓(もんちゅうばか)が作られていました。

みんなで一緒にお墓を共有するのが門中墓です。

みんなで一緒にお墓の前で宴会

清明祭は祖先のお墓に一族のみんなで一緒にお詣りして、

宴会のようにお墓の前で一緒に持ち寄った料理やお酒を頂きます。

重箱に入った料理は、こんぶ、ごぼう、かまぼこ、いなりずしなどです。

甘いものには、おはぎ、あんころ餅があります。

沖縄で大事な行事があるときは、

ヤギ汁、中身汁、イカスミなど、汁物がつきものですが、

清明祭はお墓の前で、

みんなで持ち寄った料理を頂く行事なので、汁物は出ません。

沖縄の三大汁物については、こちらを参照して下さい。

沖縄五大行事 沖縄五大家庭料理【汁物編】沖縄三大珍味 【酒のつまみ編】

みんなで一緒に祖先の出身地方向に礼拝・黙とう

シーミーの開始は門中の代表が

祖先の出身地の方向に向かって礼拝します。

祖先に感謝とあの世でお金に困らないように、

模造紙のお金(ウチカビ)を焼いて送る儀式から始まります。

前兼久の金城家の門中の代表は、金城正浩さんです。

金城正浩さんは、久高島の方向に向かって祈りを捧げ、

その後参加者全員が同じように手を合わせて、

祖先に感謝の祈りをします。

みんなで一緒に門中墓を造りました

金城家のお墓は大きなお墓です。

このお墓は金城家の一族のみんなで一緒に造ったお墓です。

みんなで一緒に共有するから広いのです。

沖縄のお墓は納骨堂のように、

みんなは入れるように広くとっています。

今日の金城家の皆さんは親から始まり、

次世代の兄弟、従兄弟、はとこのように、

金城家の代々の父系を中心にしてお墓に集まります。

男系の門中

先祖代々墓がその家のご先祖様が入る習わしであることに対し、

門中墓は「父系の血族」とされる集団です。

そのため、父方の血を引いている者であれば、

多くの親族が入るため、その人数も多いのです。

女性は金城家から出て行って、

他の家に嫁いだ場合は、

金城家のお墓には入りません。

金城家に嫁いできた女性は、

金城家のお墓に入ります。

みんなで一緒に維持・管理・共有する門中墓

ここに集まっている人達は、

将来はこのお墓に一緒に入ることになるので、

お墓の運営は一族といわれる

門中全体で運営しています。

シーミー祭の運営は、お墓にテントを張る、

設営や飲み物の用意をします。

男性達には、ビールから始まり、

泡盛や泡盛を割る水や氷の用意をします。

お酒を飲まない女性や、

子供達には、ジュースやお茶を用意しています。

これらは、門中全体で貯めている、

基金から支払われています。

基金を管理するのは会計担当者です。

これらいろいろな役割は、

一定の期間毎に、交代で任務を担っています。

不思議なジンクス

不思議なことに、毎年シーミー祭の朝は、

曇りで時より雨がふります。

それがお昼をまわると、除除に雨は上がって、

その内日が照りつけてくるのです。 

お墓の前には、皆さんが座れる席が広く取られています。

その上にはブルーシートが張られ、

日よけや雨除けになっています。

4月中旬の沖縄の直射日光は、

とても日差しが強いので、

テントがなければ、たちまち日焼けしてしまいます。

子供達は年頃の相手を見つけて、

持って来たおもちゃを広げて遊んでいます。

みんな一緒の名前は、金城さん

小さい頃から、門中の子供達は幼なじみで、

幼稚園、小学校、中学校では同じ学校に通っています。

みんな姓は金城さんです。

そこで、門中の皆さんは、

金城さんと呼ばないで、

下の名前や愛称で呼んでいます。

沖縄を出て、内地に移住した人や、

沖縄の他の場所に移った人も、

シーミー蔡には帰ってきます。

門中の代表は、外でウチカビを焼いた後は、

今度は納骨室の入り口に用意された祭壇に、

お線香を立てて、門中一同でお詣りをします。

みんなで一緒に祖先供養の宴会

礼拝が終わると、皆さんが持ち寄った手作り料理、

買ってきたオードブル、ケーキ、お菓子などを

バイキング料理のように、皆さんが分け合って、

お皿に乗せて好きな料理を頂きながら世間話を始めます。

今日の金城家の清明祭は、

この近隣の門中の皆さんに比べると、

圧倒的に多い人数でした。

金城家は、区長の金城正則さんや、

村会議員の金城重治さんがいて

、前兼久ではとても有力な門中になっています。 

沖縄訪問記 アーカイブ

2019年4月17日(水)


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