リアル店舗 VS ネット通販 棲み分け戦略

投稿No:8307

リアル店舗 対 ネット通販の比較

リアル店舗 VS ネット通販 販売競争

さんプラザコンタクトレンズの1F店であるセンター街店では、お隣のフタバ園さんが80年の歴史に幕を閉じて、2019年6月末で閉店するという知らせを受けました。

フタバ園の店舗は、センター街にそごう側から入っていくと、阪急西口から市役所の方向の南側に進む京町筋との交差する角地の場所にあります。

この場所は、三宮町1丁目で最も人通りが多い一等地の繁華街です。

こんな優位な場所でも、ネット通販の影響を大きく受けています。

リアル店舗の優位性

その角地でも、歴史あるフタバ園さんのお店を閉めざるを得なくなったのには理由があります。それは、ネット通販との競争です。

リアル店舗でお店を維持してきたのは、お花の仕入れをする確かな目利きが競争相手との差別化になっていました。

確かな目利きで仕入れたお花は、店舗に来ていただくお客様がお花を選んで買ってくれていた時代には優位でした。

しかし、店舗を持たないネット通販は、低価格を売り物にして、お花の注文をとっていきます。

配達もしてくれます。店舗に行く移動コストと時間がかかりません。

実店舗を持っていない分だけ、店舗維持費は安くなります。

花の仕入れも、注文が来てから仕入れればいいので、売れ残りの心配がありません。

ネット通販は価格優位

米マサチューセッツ工科大学のロベルト・カバロ准教授は2014年から16年にかけて、日米中など10カ国を対象にネット価格と実店舗との価格差を調査しました。

その結果は、日本はネットで買った方が安い商品の割合が45%と最も多く、価格は平均でネットが13%安かったのです。

調査した10カ国のネット通販とリアル店舗との価格差の平均は4%安で、ネット価格が店舗よりも平均で1割以上安いのは日本だけでした。

(出典 日本経済新聞 2017年9月2日 / 朝刊)

日本のネット価格は、外国と比べると価格訴求が目立つのです。

ネット通販 リアル店舗 買い物を比較

ネット通販:簡単に購入できる。一般的に価格は低い。

リアル店舗:商品を触れる。お店の人とコミュニケーションが取れる効率的に買い物をするならネット通販。買い物を楽しむならリアル店舗になるでしょうか。

ネット通販は安く買える反面、常に価格競争に晒されます。

広範囲の商圏になるため、顧客との関係性が希薄になりがちです。

一方、リアル店舗は、実店舗を構えたり店員さんを配置したり、コストがかかるために、ネットと比べると価格は高くなりがちです。

ただ、商圏が限られるので、競争はネットほど激しくなく、顧客との関係を深めることができます。

逆に、顧客との関係を深めることができなければ、リアル店舗がネット通販に勝つことは難しくなります。

そう考えると、ネット通販の悪影響を受けるのは避けられません。

同じものなら、価格が安いほうを選ぶのは、消費者としては自然のことです。

他人事ではない 競争の激しさ

コンタクトレンズの小売業界にも、同じ苦しい立場に置かれています。

コンタクトレンズのネット通販のシェアは、33%超えていると言われています。

メーカーの市場リーダであるジョンソンエンドジョンソンも、ネット通販のオンラインストアに出進して、日本眼科医師会と各地の眼科医院と摩擦をおこしています。

コンタクトレンズが日用品と違うのは、高度医療管理機器に指定されていることです。

その使用とケア、および眼の健康管理に対して厚生労働省 医薬・生活衛生局長から注意が発令されています。

リアル店舗の本質は接客

小売りの本質は、買い物自体の価値を消費者に提供することです。

有名商品を棚に並べて、購入をじっと待つことではありません。

買い物体験の楽しさを盛り上げる仕組みを作っていかなければ、ネット通販に対抗できません。

リアル店舗がお客様との関係を深め、ネット通販との競争に勝つには、仮説→検証→実行の、PDCAサイクルをくり返すことです。

1F店の店内では、仮説検証型の対面販売を重視しています。

コンタクトユーザーがレンズ装用で困っていることや、分からないことを対面販売では直接アドバイスすることができるからです。

人通りの多い場所なので、一日に多くの方が店舗に入ってこられます。

7月を迎える店舗では、季節感を演出するために、七夕まつりの飾りをしています。

笹に願い事を書いていただき、笹に括り付けて、願い事が叶うように、お客様と一緒の気持ちになって、応援しています。

リアル店舗限定販売 使い捨てハードレンズ フォーシーズン

通路側からよく見える壁面には、世界で初めての発明である、使い捨てハードレンズのフォーシーズン発売の案内をしています。

これまでハードレンズは、手元にスペアがないのは、普通でした。

レンズを取り替えたくても、その日の内に新しいレンズを受け取らないことには困るので、なかなかレンズの取り替えに踏み切れませんでした。

フォーシーズンなら、一度に一年分四枚のレンズを片眼ずつ受け取ることができるのです。

こんな素晴らしい使い捨てハードレンズが発売されたことをまだご存じないユーザーの方が多く来られます。

フォーシーズンは、メニコンだけのレンズで、しかもメルスプラン限定のレンズです。

そのため、他のメーカーでは購入ができません。

ネット通販との違い お茶のサービス

7月に入ると外の気温は30度を超える真夏日が待っています。

このような暑いときに、わざわざ店舗に来ていただたお客様には、冷たいお茶を用意しています。

接客が出来るのは、リアル店舗の強みです。

もう20年以上も続けているお茶のサービスは、とても好評です。

ネット通販 消費者行動

①メールやネット上で商品を見つける

②商品の詳細を確認して、商品レビューやツイッターの口コミを参照する

③購入意思を決定、リアル店舗に行っって色・柄・サイズを実物で確認

④ネットで、最安値を探し、注文する

リアル店舗にとって店舗をショールームとして利用されるだけで、実際の売上には全くつながらないので、堪ったものではありません。

ネット通販利用者のほとんどは、商品レビュー、口コミ、商品評価を参考にしています。

リアル店舗 VS ネット通販 優劣の比較

リアル店舗の強みは、

① 直接店員がお客様に接遇やサービスの提供ができる。

  お客様は人的サービスを受けられる。

② 直接商品に触れて、実際に見ることができる。

戦術としては、

① いかにして、お客様との関係を深めるか。

② 関係を深めるために、独自のサービスや独自の商品を展開する。

③ ターゲットとするお客様を明確にしてサービスに特化する。

ネット通販の強みは、

① 移動コストが不要。時間と距離の制約がない。

② ネットで商品、評判、価格、経験等の情報を収集し、実店舗で商品を吟味できる。

③ 購入の意思決定が自分自身の判断で可能、強要されない。

マスマーケティングから ONEtoONEマーケティング

ネット通販と競争するには、競争の均衡点を探さなければなりません。

均衡点に大きな影響するのは、専門知識と情報の出し方です。

ONEtoONEマーケティングは、一人一人のお客様の生涯価値の最大化を目指します。

市場全体よりも、個人のシェアーに着目し、その方の生涯価値のシェアーを最大化するようにします。

リアル店舗 来店顧客サービス

サービスの一例として、LINE会員様には7月限定で、ケア用品をお買い上げいただくとミニケアのプレゼントをしています。来店が条件です。

夏休みに入ると、旅行の機会も増えるので、お泊りの時にはミニケア用品はとても便利です。

使い捨てレンズが毎日交換のワンデータイプになると、ケア用品の購入は、減ってきました。

しかし、2週間タイプの使い捨てタイプだと、ケアをしながらレンズを使うことになります。

このようなユーザーの方に、1F店ではケア用品の宅配サービスをご用意しております。

リアル店舗で 情報提供

コンタクトレンズ装用時の乾燥対策にはメニコンフィットが効果的です。

今なら期間限定で、3個セットが2000円とお買い得になっています。

夏の暑い日には、部屋の中でも、職場でも、車の中でも、クーラーが効いています。

クーラーの部屋で長時間目を使う仕事をしていると、瞬きが減少します。

瞬きの減少は、ドライアイ症状を起こしかねません。

人は一日に24000回のまばたきをするといわれています。

まばたきによって、角膜表面に涙が酸素と栄養を供給してくれるのですが、乾燥状態になると、十分な供給ができなくなります。

このようなとき、レンズ装着時のメニコンフィットの使用が乾燥を和らげてくれます。このような情報を提供しています。

メルスプランの会員の方には、メガネとケア用品の購入について、5%の割引を受けることができます。

リアル店舗 メルスプランに特化

メルスプランの会員実数は、メニコンの発表では、130万人を突破したとされています。

神戸の三宮を中心にした生活県内の中にも、何万人ものメルスプラン会員の方がおられます。

メルスプランの会員の方は、メニコンがしっかりとコンピューターによる会員管理をしているので、遠くの加盟店で買った方も、近くの加盟店を利用することができます。他のメーカーでは、出来ていないサービスの一つです。

ケア用品を重くて買い物をするのに荷物になって困る場合には、送料300円で指定場所まで宅配できるサービスをお勧めしています。

まとめ  棲み分け戦略

コンタクトレンズ販売の場合、ネット通販に比重を置いた購入ルートだと、コンタクトレンズによる眼障害の危険性する知らないで、自己流の使用方法を当していることが、多くあります。特に、カラコン、サークルレンズなどのビュティーレンズ系で起きている眼障害への啓蒙です。

角膜内皮細胞減少の情報は、将来に対する危険回避を案内することにつながり、リアル店舗の役割です。

リアル店舗 対 ネット通販との販売競争の均衡点は、リアル店舗がネット通販を補完対面販売による情報提供で、ネット通販を補完することが、均衡点になるのではないかと考えます。

両方がそれぞれの強みを生かして棲み分け戦略をとることが、共存できることではないかと考えます。

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2019年6月30日(日)