カルロス・ゴーンの逮捕は国威のための国策捜査なのか、古典的な個人の横領を暴く捜査なのか?

投稿No:8006

カルロス・ゴーン逮捕には日産グループ、三菱グループを守る為の政治的圧力が働いているのか。

日産自動車のカルロス・ゴーン社長が11月19日東京地検特捜部に任意同行を求められ、その後、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで逮捕されました。

テレビでは臨時ニュースの速報がテロップによって流されて、これを始めとして日本中の関心がこの事件に集まりました。

カルロス・ゴーン逮捕の理由

日本経済新聞社の報道によれば、東京地検特捜部は19日、仏ルノー・日産自動車・三菱自動車の会長を兼務するカルロス・ゴーン容疑者(64)を金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で逮捕した。報酬を約50億円過少申告した疑い。

日産は同日、「複数の重大な不正行為」があったとして、同会長らの解任を取締役会で提案すると発表した。

販売台数で世界2位を誇る3社連合を率いてきたカリスマ経営者の逮捕は、グループの経営や体制に大きな打撃を与えそうだ。

有価証券報告書の偽り

特捜部によると、2015年3月期までの5年間で、実際にはゴーン会長の報酬が計約99億9800万円だったのに、計約49億8700万円だったとの虚偽の記載をした有価証券報告書を5回にわたり関東財務局に提出した疑い。

日産の代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者(62)も同容疑で逮捕した。

2人の認否は明らかにしていない。

特捜部は19日、関係先として横浜市の日産本社などを家宅捜索した。

関係者によると、オランダに設立された日産子会社が海外の高級住宅などを複数購入し、ゴーン会長は賃料を支払わずに無償で利用していた疑いがある。

こうした利益供与が実質的な報酬に当たる可能性があるとして、日産の関係者が特捜部に相談していたという。

有価証券報告書の虚偽記載は粉飾決算に適用されることが多く、役員報酬の過少申告への適用は異例。罰則は10年以下の懲役か1千万円以下の罰金、またはその両方。法人は7億円以下の罰金と定められている。

カルロス・ゴーン会長の古典的な不正行為

日産の西川広人社長は19日夜の記者会見で、ゴーン会長の主な不正行為として(1)実際の報酬よりも少ない額を有価証券報告書に記載した(2)私的な目的で投資資金を支出した

(3)私的な目的で経費を支出した――の3点が確認されたと述べた。

日産は同日、ゴーン会長らの不正行為について内部通報があり、数カ月間にわたって内部調査を行っていたことを明らかにした。

ケリー役員もこうした不正行為に深く関与していたという。

日産は「これまで検察当局に情報を提供するとともに捜査に全面的に協力してきた。

今後も協力していく」「株主をはじめとする関係者に多大な迷惑と心配をおかけすることを深くおわび申し上げます」などとするコメントを発表した。

各社の有価証券報告書などによると、ゴーン会長は17年度、日産から7億3500万円、三菱自から2億2700万円、ルノーから740万ユーロ(約9億5千万円)の報酬を受けたとされている。

ゴーン会長は1954年にブラジルで生まれ、ブラジルミシュラン社長、北米ミシュラン社長を経て、96年にルノーの副社長に就任。

99年、経営危機に陥っていた日産の筆頭株主になったルノーから日産に派遣された。

99年10月、3年間で1兆円のコスト削減などを柱とする日産リバイバルプランを公表し、その後、日産の業績はV字回復。2000年に同社社長に就き、01~17年、最高経営責任者(CEO)を務めた。

株価に連動する報酬を金銭で受け取れる権利について、計約40億円分を有価証券報告書に記載していなかったことが関係者への取材でわかりました。

翌日の新聞からは、これまで知らなかったことがいろいろ伝わってくるようになりました。

社内調査の結果、3点の古典的な不正行為が確認されました

 横浜市にある日産グローバル本社で、西川廣人社長が記者会見を開いた。

冒頭で西川社長はこう説明されました。

「カルロス・ゴーン、(代表取締役の)グレッグ・ケリーの2名につき、内部告発を受けた社内調査の結果、3点の不正行為が確認されました。

(1)報酬金額を有価証券報告書に過小に記載していた
 

(2)目的を偽って私的に会社の投資資金を使っていた

(3)目的を偽って経費を不正使用していた

報道から受けた感じは、古典的な背任横領の容疑が中心で社会的な事件としては、拍子抜けするような内容です。

伝わって来ている内容は、まるでどこかの中小企業の社長が国税庁や税務署の税務調査で指摘を受けているような低レベルの問題です。

本当にそうなのか、私は疑問に思います。

カルロス・ゴーン社長が影響力を行使している企業は、日産自動車と、三菱自動車と、ルノーです。

日産自動車は、日本のコンツェルンの一つである日本産業を構成する企業です。

三菱自動車は、三菱財閥を構成する会社の一つです。

日産は鮎川財閥とも言われている企業グループで、その構成メンバーには、日立製作所、日産化学、SOMPOホールディングス、JXTGグループ(旧・新日鉱グループ)、日産自動車、日本水産、日油(日本油脂)などがあります。

三菱は岩崎弥太郎が興した日本を代表する財閥です。

その構成企業メンバーには三菱商事、三菱UFJ銀行、三菱重工などがあります。

日産も三菱も、背後には旧財閥の流を汲む企業グループがあります。

これらはその生成から発展段階で日本の国策を担ってきた企業グループです。

その日産と三菱がカルロス・ゴーン氏によってルノーの傘下に入り、フランスの企業に変わることもありえる状態なので、心理的な抵抗も働く筈です。

このような日本の経済界にとって、屈辱的な状態が進行している中で、座してフランスの支配下になることは、経済界や政界からみると大きな問題だったはずです。

カルロス・ゴーンの逮捕は、中小企業の社長が税務署で絞られるような古典的なテーマでしょうか?

金額こそ大きいものの、企業を私物化して私服を肥やしているレベルなら国税庁の管轄で、東京地検特捜部が介入するのは何か不自然です。

捜査の進展を待たなければ、真実はまだ明らかになりません。

強欲な規律のない社長が、会社を私物化していることを糾弾するのか、それとも政界・財界を巻き込んで日本とフランスとの国の威信を懸けた戦いになるのか、まだ現時点では分かりません。

私としてはカルロスゴーンが不正行為を行ったからには財界工作、政界工作をする為の巨額な原資が必要であり、その為の背任と言われても仕方がないよな裏金作りをしたのではないかと考えます。

①カルロス・ゴーンを日産自動車・三菱自動車から追い落として、得するのは誰なのか。

②本事件は個人の金銭的不正だけが問題なのか。

③カルロスゴーンに指示をした人は居ないのか。

このような疑問がわいてきます。

2018年11月21日(水)