法隆寺の夢殿、中宮寺の菩薩半跏像(如意輪観世音菩薩)は、日本の宝です。
中宮寺の菩薩半跏像(如意輪観世音菩薩)と、広隆寺の弥勒菩薩半跏像は、よく似ています。 奈良県大人の遊学旅行(6) 社長ブログ奈良/法隆寺/東院伽藍/中宮寺
法隆寺での聖徳太子のイメージは、夢殿で学問をされるお姿です。
しかし、実際には夢殿は、聖徳太子の亡くなられた後の739年に建てられています。
八角円堂の中央の厨子には、聖徳太子を偲んで、救世観音像が安置されています。
一般の人も靴を履いたまま夢殿の廊下をぐるりと一周する事が出来ます。
八角のお堂に4ヶ所扉が開いていて、扉の中を見る事が出来ました。
扉の向こうには、もちろん明かりはなくて、目が暗順応をしなければ、外の明るさからすぐに中の暗さを見ても、ハッキリとは見えません。
夢殿から向こうを見ると、絵殿 舎利殿が見えます。
こちらには入っていませんが、中には聖徳太子の生涯を絵で描いて、お祀りしているそうです。
夢殿は739年の建立なので、今年で1277年経過しています。
聖徳太子が亡くなった後、聖徳太子自身が信仰の対象になり、夢殿も観音様の化身と伝えられた聖徳太子信仰に守られて、大切に継承されて来ています。
次は中宮寺に向かいます。
中宮寺本堂は、最近の建築です。
高松宮妃殿下の御発願により、吉田五十八先生が設計され、昭和43年5月に落成しています。
今まで、世界最古の木造建築を見てまわっていましたが、中宮寺本堂は鉄筋コンクリート造りです。
中宮寺を訪れるのは、本尊の菩薩半跏像(如意輪観世音菩薩)を拝観する為です。
お堂にあがって、至近距離から菩薩半跏像(如意輪観世音菩薩)を拝観することが出来ましたが、撮影禁止なので、写真は撮れていません。
以前、広隆寺の弥勒菩薩を、ごく側で拝観したことがあります。
広隆寺の弥勒菩薩と、中宮寺の菩薩半跏像の両方とも、日本の至宝です。
何か物思いに浸り、静かに憂いを感じるお姿は、人間の業をいかにして救済するか、と深い考えを巡らせているようだと言われています。
昔、お坊さんに質問した事があります。
菩薩は男性ですか?女性ですか?と尋ねると、そのお坊さんは、子供の思わぬ質問に困って、観音様は、男でも女でもなくて、中立だと言われた事があります。
後から調べると、そんなことはありません。観音は仏の位で、男性です。女性なら、尼です。
しかし、目の前の如意輪観世音菩薩を見ていると、男性でもない、女性でもない、性別を超えた存在のようにも見えてきました。
2016年5月18日(水)