アサギマダラ 飛来ニュース 守るべき淡路島の自然 すなびきそう 現状
投稿No:10356
旅する蝶 アサギマダラの飛来ニュース 守るべき淡路島の自然 アサギマダラをめぐる現状

ニュースやFacebookを見ていると
アサギマダラが飛来した記事が
目に入るようになりました。
つい先日も、
とニュースを見たばかりです。

Facebookの投稿でも、
アサギマダラを見掛けたという投稿を
チラホラ見かけます。
アサギマダラは、
とても美しい蝶です。

光を通すと青く輝くように見え、
まるで空を映し込んだかのようです。
日本の蝶の中でも独特な存在感があり、
出会うと特別感があります。

この蝶が特に注目されるのは、
「旅する蝶」と呼ばれていることです。
体はたった数グラムしかありませんが、
春には南西諸島から本州・東北へと北上し、
秋には再び南へと戻っていきます。

なかには台湾まで
渡る個体もいるといわれています。
数百キロから千キロを超える旅路を、
小さな羽ばたきで乗り越えているのです。

アサギマダラについては
以前通っていた、淡路景観園芸学校で
詳しく学びました。
5月になって、気温が上昇してくると、
絶滅危惧植物である、
スナビキソウの花が咲き始めます。

アサギマダラが集まるのは、
スナビキソウとか、
フジバカマの花が咲いている所です。
アサギマダラの北上移動中
吸蜜を行い羽を休める休息地となります。

以前、淡路景観園芸学校の
アルファーガーデンで
昆虫採集をする実習を行いました。
このアルファーガーデンにどんな昆虫がいるのか、
実際に捕獲して確認する実習です。
私が目指す蝶々は、
旅する蝶々アサギマダラの捕獲です。

アサギマダラは集まる花が限定されています。
花なら、どの花でもいいわけではありません。
フジバカマは群生していますが、
アルファーガーデンには、
咲いているでしょうか?

この時は残念ながら、
アサギマダラは見つかりませんでした。
(過去ブログ:アルファーガーデンで 昆虫採集)
淡路島の最北端の「松帆地区」に
自生するスナビキ草の花の蜜を求めて
アサギマダラがやって来たのを
見に行ったことがあります。

この時は飛来したアサギマダラを
見ることが出来ました。
しかし私が心配しているのは
スナビキソウが生える海岸は、
パソナの所有地と接しているということです。

以前、重機が搬入して
アサギマダラ蝶の命を繋ぐ
砂引き草全滅の危機が
迫って来たのを見に行きました。

淡路市の市民、みんな心配していたのです。
スナビキソウはアサギマダラの
命を繋ぐ花です。
それを失くしてはいけません。
松帆海岸はパソナが所有しているので、
ここを保護するかどうするかは、
パソナの判断に依存しています。

アサギマダラにとって、
海を越えて飛来するには
淡路島の松帆海岸は、旅の途中になります。
スナ引き草の蜜を吸って、休息も必要です。
その休息場所が、背後のブッシュ、つまり籔です。
このブッシュ地は、パソナの所有地です。

松帆海岸の道路側には、
アサギマダラが休息できる
ブッシュがあって、アサギマダラが、
砂引き草の蜜を吸ったあと、
このブッシュで夜を過ごす場所になっています。
アサギマダラにとっては、松帆海岸の砂引き草と、
ブッシュは一体のものなのです。

兵庫県では、
砂引き草が県のレッドデータに記載され、
希少植物として扱われています。
同じように、京都府や愛知県でも
砂引き草はレッドデータに載せられており、
限られた環境でしか見られない貴重な存在です。
また、身近な秋の七草のひとつだったフジバカマも、
多くの都府県で準絶滅危惧種に指定されています。

アサギマダラは、
こうした希少な植物の存在に支えられて、
長い旅を続けています。

アサギマダラが飛来する知らせは
嬉しいものですが、
その背景にある現状も知って欲しいと思います。
