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[商大水泳部の室内練習]

2005年11月9日。

皆さんは100Mを走る、100Mを歩く、100Mを泳ぐを比べると、どれがしんどいと思いますか。それはもう、100Mを泳ぐ方が体力的にはしんどいに決まっています。

それでは100Mの泳ぎ方ですが、

●コースロープの無い無計画なスペースで100Mを自由に泳ぐ

●コースロープがあるが隣のコースの人とは競争していない

●コースロープがあり、隣のコースとも競り合っている

●最後にコースロープの中で全部の人と競り合って、しかもタイムも計っている。

このうち、どれが一番しんどいでしょうか。

水泳をしてると、とてもしんどくなる事があります。

100M、200Mを一生懸命泳げば、途中疲れるのは当然です。しかも、松葉博雄はかなりのおじさんです。

しかし、ここは県立大水泳部です。

そんな時、何を考えているかというと、 実のとこ無心な状況になっています。

とにかく苦しい、しんどい、早く終わりたい。という気持ちだけです。全てを忘れて、目先のゴールにたどり着きたい。

一見矛盾するようですが、これが、水泳のいいとこなんです。

 

夢中になって泳いでいるときには、今日の売上も問題ありません。

目下努力している研究の進展も、何も問題ありません。

すべて、早くゴールに着きたい。これにつきる状態になっています。


色んなことを忘れて、忘れるというよりは、思い浮かばなくて、 しんどいから早く向こうに着きたい。

この状況が、水泳の中にとてもいい状況をつくっています。

 

確かにしんどいです。ゴールに着くと、もう息が切れます。隣のコースに選手を見ても、楽そうな顔はしていません。肩で息をして、時計をチラチラッと見ながら、次のスタートまで何秒休止できるかを見ています。

でも、たった数十秒の休憩で、すぐにまた次の練習に入っていきます。

およそ、1時間30分で3500Mぐらいを泳ぐわけですが、この水泳の練習は、誰かに強制されるわけではありませんが、松葉博雄にとってみれば、道場での苦の修行になっています。

しかし、いたずらに苦を求めているわけではありません。苦の先に、喜びがあります。喜びは、まだ今日もこれだけ、皆について泳げたという喜びです。