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水泳部の練習

2004年7月の暑い一日のことでした。なんとなくいつものように練習を繰り返していますが、深く観察してみると、このようなことに気がつきました。

水泳部員の道場はプールです。したがって、道場の掃除があるように、プール掃除も練習前に行ないます。

水を替えるだけでは済みません。プールの底にゴミが溜まってくるのです。そこで、吸引機を使い、掃除機のようにゴミを吸引し、プールの外に排水させるのです。

この役目は長いホースを持って、プールの隅から隅まで水中ゴーグルで覗きながらゴミを吸引するのですから、かなりしんどい役目です。これは、一年生の役割のようです。

遠くから見ていると、まるで海か川で魚を獲っているように見えます。

プールサイドの掃除もあります。プールの水をかけて、デッキブラシでゴシゴシ汚れを落とします。この仕事はマネージャーの役割のようです。

掃除が終わると、準備体操を行ない、プールに飛びこみ、練習メニューをこなしていきます。

メニューは「アップ」と言われる、ウォーミングアップから始まります。アップの後のメニューの組み合わせはいろいろ変わりますが、足だけで泳ぐ「キック」、手だけで泳ぐ「プル」、決められた時間の間に泳ぐ事と、わずかな休憩の連続する「スイム」と言われる「インターバル」などがあります。

インターバルは、50mとか100mを何本も連続して行ないます。速く泳いで早く着くと、休み時間は長くなり、遅く着くとすぐにスタートすることになり、休み時間は短くなるという、完全成果主義のような練習方法です。

休息を少しでも長くとりたいのは当然ですが、それには速く泳がなければ早く着きません。急げば急ぐほど息は苦しくなり、少々の休息では回復できません。ここが判断のしどころで、自分との駆け引きです。

例えば、1分10秒サークルで50mを30本泳ぐとすれば、45秒で着けば25秒休める事になります。

これはしんどいので50秒にペースダウンすれば、休みは20秒にショートカットされます。やはり、平均的なタイムで30本をこなすのが妥当と言えます。

100mや200mとなると、あまり無理して速く泳ぐと、後が続きません。よくよく考えながら、成果主義に挑みます。

マネージャーがストップウォッチを持ち、何人もの部員のタイムをとり、記録していきます。時間がくれば「●本目スタート!」と声を出し、励まします。

炎天下にさらされ、とても大変な地味な仕事です。

メニューが終わると、ウォーミングダウンである「ダウン」があります。これを終えると追加練習がある人は飛びこみ、ターンなどの別練習をする人もいます。

今日も水は皆さんのおかげでキレイでした。

厳しい練習を終えると、充実感に包まれ、「あぁ終わった」と嬉しくなります。

最後に、キャプテンを中心にしたミーティングがあり、その後は塩素剤を投げ込んだり、ポンプを開いて新しい水を注入させます。

皆さん、お疲れ様でした。帰って美味しいご飯をいただきましょう。