兵庫県立大学にて講義で頂いた感想及び要望 2005年01月 ~2回生からの感想part3~

1.今回の講義の感想はいかがでしたか?

2005年1月13日 兵庫県立大学 にて

国際商学科

コンタクトレンズ、私は幸いなことに使ってはいませんが、「裸眼」というとひどく驚かれます。それと同時に、競争の激しいマーケティングであるとCM等を見るにつけ、感じていました。

とりわけ今日は、震災という大きな出来事からの見方というものは新しく、興味深かったです(父もデザインの会社をしており、四苦八苦していたのを覚えています)。一度確立したものをもう一度発展させるのは、新地に家を建てるのとは違うということがひしひしと伝わってきました。それを無形商品を扱う従業員から徹底させるのは、コンタクトレンズ会社として注目すべき点ですね。後、コンタクトの普及が日本において遅かったのが「もったいない思想」だったとはおもしろいお話でした。

松葉よりコメント 「震災復興マーケティング」

マーケティング研究の中で色々な研究テーマが出て、実際に研究が進んでいますが、私自身が研究と実践をしている中で、他の人と違う点があります。それは震災マーケティングです。これまでの研究事例では、震災を経験する、あるいは非常事態に対するマーケティング研究は珍しく思えます。しかし、私自身は1995年の阪神淡路大震災を経験し、その壊滅的状況から復興を経験しましたので、これは本で学ぶこととは違います。

この貴重な経験の中で、この後の皆さんに伝えたい問題が色々ありますが、限られた状態の中ではお話できませんでした。今、私のサイト「社長研究室」の中に「震災復興マーケティング」というのを書き続けていますので、これを参考しして頂いたら幸いです。

国際商学科

松葉さんの家庭内のことが聞けてよかったです。
7年間もTVのない生活なんて、TVのある生活が染みついてしまった僕にはとても信じられません。でも、それによって家族の絆が深まったということがとても素晴らしく思います。僕は近視ですが、コンタクトには若干の不安があり、未だに眼鏡をかけています。着用していると視力が回復するコンタクトレンズを開発してください。コンタクトをつけていると、視力が悪化するということも聞いたことがあります。

松葉よりコメント 「テレビを切ってみてください」

今回の講義の中で実際のマーケティングとは少し離れたことをお話しました。それはこれからの皆さん方の生き方について多少とも参考になると思ったからです。

私が親として子供に教育をする中でテレビを切ったということは、今から考えると良い結果を得たと思います。テレビを切るということはなかなか勇気のいる問題として取り上げられています。しかし、テレビがどれだけ家庭を壊しているかという問題にも目を向ける必要があるかと思います。

この問題については、社長研究室で「テレビを切ろう」という問題を書いていますので、これを参照していただけたらいいと思います。テレビを切るということは、自分自身がその時間を作っていくことになります。テレビを見ていると、与えられた情報に自分が依存して受身になっていきます。しかし何もない時は、自分自身が自分の時間をどのように使うか考えないといけなくなります。あるいは周りの人との関係についてどうしたらいいかを改めて考える機会でもあります。是非自分自身の時間を取り戻していただきたいと思います。

経営学科

分かりやすかったです。マーケティングの大変さがよく分かりました。今の僕では知識も経験もなく、会社を創るなんてことはまず不可能に近いと思います。若くしてコンタクトレンズに目をつけて、会社を創った松葉さんがすごいなぁと思いました。

そして、顧客満足経営のことを説明して下さり、顧客がいかに大切であるのかがよくわかりました。またOne To Oneマーケティングなどの新しいマーケティングについても説明して下さり、顧客と一対一で向かい合って、顧客の求めているものを提供していくことで成功できるということが分かりました。阪神大震災の起こった時の経営のつらさも大変だったということも分かりました。これを機にライバル企業からの攻撃などはひどいものだと思いました。でもこれも自社の売上を伸ばすための戦略なので、仕方ないのかなぁとも思いました。

実際、僕も視力が悪く、コンタクトレンズをしているので、コンタクトレンズについても詳しく、そしてその売り方であるマーケティングを知ることができ、経営者側のことも知ることができたので、大変勉強になりました。僕もこれからマーケティングのことをしっかり勉強していき、実践できるように頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。

松葉よりコメント 「マーケティング研究は人生そのものです」

マーケティング研究を堅苦しい学問として位置付けをすると、「関係がないわ。」と思って目をそむけてしまうこともあると思います。しかし、マーケティングを「人生をどのように切り拓くか。」という位置付けにしてみると、自分の人生は自分のマーケティングを作っていくことにつながります。そうしてみると、とても大事なことがわかると思います。

売れる仕組みを作ることがマーケティングの重要な課題ですが、人生においても自分が納得のいく、あるいは成功を夢見てそれを切り拓いていくということとして捉えてみれば、マーケティングの大切さというのはとてもよくわかると思います 。

国際商学科

今日の講義は内容が充実していて、とてもおもしろかった。この講義を通じて、いろいろ勉強になりました。社長さんの実際の例を挙げてくれて、さらにそれに基づいてマーケティング戦略を説明して、すごくわかりやすかったのです。先生の言った通りで、サービス産業において顧客満足、さらに従業員満足を満たすことはとても重要だと思います。

顧客がいないと営業になりません。でも、顧客を第1位におくのは簡単ですが、実際に顧客を創造する上で、さらに顧客と長期的な関係を維持するのはなかなかむずかしいです。それに対して、サービスする側でも問題が残っています。社長がいくら行動が規範しても、本当に顧客と接するのはやはり従業員なので、従業員に対して、ただ正式的な教育だけでは足りません。なので、社長として、もっと最大限に従業員の満足度を満たさなければなりません。

でも、一体どうしたら従業員に満足させることができるのでしょうか。

松葉よりコメント 「従業員満足について」

「一体どうしたら従業員を満足させることが出来るのでしょうか。」という質問に対して、私もずいぶん悩みます。なかなか確たる答えというのは難しいのです。考えすぎると迷路に入ってします。それはなぜかといえば、従業員の一人一人はそれぞれ考えていることが違うからです。何を満足の基準とするかがきっと違うからです。そうすると一つ一つの答えが変わっててきます。

そこで、従業員全体の中で大事なものは何かということに戻らないといけません。それは、その職場を通して、仕事を通して、自分が満足できることは何かということに戻ることになります。それは給与やお休みや、あるいは福利厚生というような自分自身の対応に対して満足を求めていけば、欲望はつきることはありません。いくら最高の条件を獲得した、あるいは提供したと思っても、必ずまた不満が出ます。きりがないからです。個人にその満足の原点を求めたらそうなります。

しかし、それを外から見て、「お客様が喜んでいる、それを見た自分が満足出来る」という立場に変えていくと、それは説明ができます。例えば、お母さんと子供の関係について考えてみましょう。お母さん満足というのはどういうことかと考えてみると、お母さんは子供が喜ぶ顔を見て、お母さんは嬉しいと思うはずです。このように自分自身が満足を求めるということになるときりがありません。しかし、相手の立場を考えて相手が満足した状態が自分が嬉しいという説明になると、納得できると思います。それは自分自身を抑えることでもあります。顧客が喜ぶ状態を見て自分が嬉しいということは、人的サービス業に求められることです。このような関係からみなければ従業員満足というものは説明できないと思います。

国際商学科

さんプラザコンタクトレンズのマーケティング戦略から、いかに顧客の満足度を大きくするかが重要であることが分かった。私たちはどこに行くにしろ、何を買うにしろ、なにか目的があってその場に行くが、大小ともあれそこになにかしらの期待をもっていく。その期待以上のものを提供できれば、顧客に満足度が得られる。これが顧客満足の形成要因である。この「期待≦期待→満足」は、どのマーケティングにおいても重要視すべき点であると思う。実際、接客のアルバイトで店長に言われたこともあり、顧客シェアを高める手段であると実感した。

松葉よりコメント  「期待値について」

マーケティング研究の中に消費者行動を研究する分野があります。その顧客満足というのはマーケティング研究の中で今、大きな位置を占めています。満足というものはどういうことであるかという研究がなされました。それは、期待と結果との対比ということに今、説明がなされています。期待が大きければ結果が小さいと不満足になる。あるいは期待以上のものが提供されると満足につながるということが分かるようになりました。

さらにこれは業界での標準的な期待という問題に発展しています。この業界であればこのぐらいのことは当然、当たり前ということになります。さらに期待値についてそれをコミットメントしていく考え方にもつながっています。まだまだこの満足については研究が進んでいる分野であるといえます。

経営学科

ゆっくりはっきりとお話してくださったので、とてもわかりやすかったです。震災をきっかけにもう一度経営について学ばれたそうですが、(私が言うのも変ですが)とても良い経営をされていると思いました。ただ安く売り、安さだけで勝負をするようなことはしたくないと言っていたのが印象的でした。私はコンタクトレンズをしていないので、他の会社がどうやってレンズを売っているのか知らないのですが、さんプラザコンタクトレンズさんの顧客満足経営だと、「また次もここで買おう」という気になるだろうと思います。

また、そういう経営だと従業員としてもやる気が出たり、やりがいが得られるはずです。私は正直、今のバイトではやりがいを感じられないので、将来はさんプラザコンタクトレンズさんのような経営を行っている企業で働きたいと思いました。

松葉よりコメント  「社会人が大学院で学ぶ意義」

創業以来、順調に経営を続けていく中で、1995年の阪神淡路大震災では予想もしない大きなダメージを受けました。それを再建していく中で、さらに今までこれでよかったのかと、もう一度考え直す機会が得られました。

そのような時に神戸商科大学が社会人を大学院に受け入れるということがありました。改めて理論的なことを学ぶ機会を得て、実践と理論を、ある時は理論、ある時は実践と、この両面から検証してみる必要性があると感じました。実践だけであれば経験が中心となります。理論だけであればこれは机上の研究となってしまいます。社会人であるからには両方の面を得られる機会があったことを大変ラッキーだと思っています。

国際商学科 女性

コンタクトレンズの需要の多さと、若者の視力低下の多さに、まず驚きました。そんな時代によく適した企業理念をもって営業しているのだなと思いました。One To Oneマーケティングについては、実際に体験しているので、非常に良いものだと思います。というのも、私も一度さんプラザコンタクトレンズを利用し、その後もシーズンごとぐらいに割引のお知らせのハガキが届くからです。買いにいこうとしていた時期にこんなハガキやキャンペーンの知らせが届くと、効果抜群だと思います。

従業員、顧客共に満足を追求し、サービスについてもよく考え、サービス・プロフィット・チェーンなども考え実行しているさんプラザコンタクトレンズは大変良い企業だと実感しました。

松葉よりコメント 「顧客の視点からご意見を頂きました。」

皆さん改めて驚かれると思いますが、日本のコンタクトレンズ装用人口は、およそ1300万人から1400万人もの多くの人が利用していることが報告されています。

小学校の頃から勉強を始め、本を読み、テレビを見て、パソコン・携帯電話などの画面を見続けて、さらにその上に漫画を読み、ゲームを画像ですれば、目は酷使される一方です。私たちの顧客層は、若い方が多く、その年代に合ったサービスに努めています。実際に我が社でレンズを購入していただき、サービスを体験した上で私たちのサービスに共感して頂きますと、とても嬉しく思いました。これからもよろしくお願いします。

国際商学科

私もコンタクトを使用しているので、とても興味深く聞かせて頂きました。三宮に「さんプラザコンタクトレンズ」があるのはよく知っていましたが、やはりコンタクトは常に使うもので無くなった時や調子が悪い時、近所にある方が便利だと思うのですが、三宮に店舗を構える理由が知りたいです。

なにかマーケティング上、その立地に意味があるのでしょうか?私の周りの友達の多くにコンタクトをつけっぱなしで寝たり、試用期間を過ぎているのに使い続けている友達がいます。私は眼は一生ものなので管理をきちっとしていますが、このような友達のためにもこのような講義の時間の中でコンタクトの怖さ、扱い方の注意を促してほしいと思います。
とても聞きやすく分かりやすく楽しい講義でした。ありがとうございました。

松葉よりコメント 「立地の良さについて」

三宮に立地する意味があるのかという疑問について、意見を述べたいと思います。

立地の重要性というのはビジネスをしてみると分かります。良いものを自信を持って販売しようとしても、それが立地で大きく左右されます。残念なことに立地が良ければ中身が少々問題があっても売れるという結果もあります。人はなぜ立地を求めるのか、それは立地条件の良いところでビジネスを始めると、それだけ有利に展開できるからです。

特に、小売業の場合はかなり立地の条件がその後のビジネスに影響します。良い所は地価が高いです。高いコストに対してそれに見合うだけの付加価値と利益をつけていかなければその立地の負担に耐えることはできなくなります。

従って、立地の良さを生かすのも顧客を維持していくことにつながることですが、立地が良いからといって全て上手くいくわけではありません。立地が良ければ比較的ビジネスはしやすいですが、立地が求める負担に耐えられるものでないと上手くいきません。これは経験的なものであり、あるいは一般的な立地の持つ不思議さでもあると思います。

管理科学科

コンタクトレンズの市場規模の推移にとても驚きました。私もコンタクトレンズを使用しているので、最近のコンタクトレンズの使いやすさにはとても満足しています。ちゃんと眼科と一緒になっていて、失明の予防や視力の回復、治療の実践などを考えてくれているのはとても安心して使えるので助かります。

あと、顧客を得るための努力はすごいなぁと思いました。一人ひとりにハガキを書いたり、切手にも工夫したりと苦労も多いのだと分かりました。

私も従業員満足とは休みが少ないだとか、早く帰れるかとかそういう事なのかなぁと思っていました。でも違っていました。お客様の笑顔が見れて嬉しく思ってくれる従業員ならきっとお客様もより満足するだろうと思います。製品でお客様を満足させることはとても大切だと思いますが、お客様と直接接している従業員をよりよく育てることも大切なことなんだなぁと分かりました。
今日の講義はとても分かりやすくて、おもしろかったです。

松葉よりコメント 「企業の目的は顧客の創造です」

10年前に神戸で震災が起きた時、しばらくビジネスが止まったときがありました。普段当たり前と思っていたお客様との対応が突然止まると、改めて普段お客様が来て頂いていることのありがたさを感じました。

ビジネスをはじめた時にはまず新しいお客様をどのようにして積み重ねて増やしていくかを考えていました。その時にどのようにしてお客様を獲得するかを体験したので、お客様の獲得がとても難しいことを体験しました。お客様がいなければ企業を始める意味がありません。

例えば、南極でペンギンを相手に、北極で白熊を相手にお店を開いても、企業は続けることができません。企業を作り、それを続けていく為には、顧客が企業の存続を許すかどうかの鍵を握っています。

そのことを現場で経験し、さらに従業員にもこの考えを伝えるように努力しています。
子供を持ってみて親のありがたさが分かるように、自分で経営の責任を担ってみると、顧客の創造と維持、育成の大切さが従業員にも分かってくると信じて教育にあたっています。