神戸の会社の出来事 ホーソン実験を応用して実験です。

投稿No:8082

神戸の会社の出来事 ホーソン実験を先行研究をとして経営の現場で応用してみます。

ホーソン実験

ホーソン実験は1924年から1932年の間、米国シカゴにあるウェスタン・エレクトリック社(GE社)のホーソン工場で作業効率を検証した実験です。

全米学術協会の主導で始まりました。

工場で行われた約40個の部品からなる継電器を組み立てる工程で、6名の女子作業員を選んで、個室の実験室で行われました。

作業条件を変えながら、作業量の推移を測定する実験でした。

①賃金、②休息時間、③珈琲・スープ・サンドウィッチなどの軽食サービス④部屋の温度・湿度など、これらの作業条件を変えてみました。

実験の目的は作業条件を変えると生産量が変わるかどうかを実験しました。

結果はこれまでのテイラーの科学的管理とは、違った結果がでました。

この実験により、労働者の作業能率に関する革新的な発表がされ、仕事の能率に人間関係が大きく関わっていることが広く知られるようになりました。

ホーソン実験の結果は意外にも

即ち、条件を改善すると生産性は向上しましたが、条件を元に戻しても生産性が低下しなかったのです。

これは生産性は科学的に管理できると考えたテイラーの科学的管理法が説明つかなくなる結果でした。

ホーソン実験で得られたこと

そこで、メイヨー(Mayo)の分析では、人間は①経済的成果より、社会的成果を求める。

②合理的理由よりは感情的理由に左右される。

③公式組織より非公式組織の影響を受けやすい。という意見でした。

つまり人間は連帯的、献身的、感情的に行動する社会人、情緒人であり、孤立的・打算的・合理的に行動する経済人ではないことを主張しました。

人間は連帯的、献身的、感情的に行動する社会人あるいは「情緒人」であって、科学的管理方が前提としたような孤立的、打算的、合理的に行動する経済人ではないと主張したのでした。

メイヨーの人間関係論

メイヨーの行った実態調査であるホーソン実験では、科学的管理法とは異なる経営学的人間観として、人間関係論が発展していくこととなりました。

人間関係論の研究において、働く人を没論理的な感情によって動かされやすく社会に影響されやすい人間と考えました。

この考え方の中心となったホーソン研究で、労働者たちへの扱いや社会的状況がよい感情を生み出し、労働者の行動は、感情と深い関係があることを明らかにしましました。

また、公式の作業ルールよりも非公式(インフォーマル)の仲間集団内の慣行によって作業のペースが決められていることがわかったのです。

仕事の動機づけは集団によって強く影響されること、集団からの影響は理性ではなく集団や仲間へ心情(センチメント)に依存していることが明らかになりました。

企業においても、組織内の非公式な集団の影響を考慮し、コミュニケーションを重視することなど、組織への参加意識や心情にも配慮した管理が行われるようになったのでした。

行動科学へ発展

科学管理法も人間関係論も、合理的で論理的な考え方をする経営者がいかに労働者を管理するかという、経営的な発想に基づいていたが、生産組織が拡大し、工程が複雑化するにともない、労働者を単純な感情により行動しているという見方で管理することには限界が見えてきた。

これに対応して1950年代以降、人間行動の一つとして検討し、動機づけや労務管理を研究する動きが盛んになった。

これらの研究は、多様な分野にまたがって人間の行動を研究する行動科学から生まれたので、行動科学派ともよばれた。

行動科学では、職場において欲求はどのようにして具体的な行動に結びつくのか、人間の欲求と行動に関する心理学的知識に後づく労務管理や経営の方法に影響を与えていったのです。

出典 松葉博雄 大阪府立大学修士論文 (2007年)

神戸の会社の出来事 ホーソン実験を応用してみよう 

ホーソン実験になぞらえて我が社でもメニコン社と共同して、どのようにすれば経営成果を向上するかを、社員の中から選抜してトライしてみることになりました。

ホーソン実験では、工場で働く場合の作業効率に照明実験やリレー組み立て実験、面接調査、パンク配線作業実験などの実験でしたが、我が社の場合、実験項目は顧客満足向上の実験です。

工場で物を創る場合は、作業効率は比較的簡単に測定できます。

一定の時間に、一定の人数で仕事環境を変えれば、どれだけ成果が変わるのか、測定が可能です。

しかし、サービスの場合に、特にに人的サービスの場合は、その因果関係の成果測定にはかなり難しい面があります。

それを踏まえて、どうすれば顧客満足が上がるのか、メニコンと相談しながら打ち合わせ会議です。

顧客満足向上を目指して

会議に参加したのは、メニコン社からは営業の山本覚課長と溝上竜一係長と、販売の現場からは矢野孝典さんと、藤井裕樹さんの4名です。

どんなことをすればサービスの生産向上の成果があがるか、お互いに意見を出し合いました。

測定の尺度は、顧客満足度の向上になります。

顧客満足度向上の測定方法も大体決まりました。

まだ他ではやっていない先進的な取り組みなので、上手くいくかどうかは、やってみないとわかりません。しかし、やってみる値打ちはあります。

結果を詳しく測定し行動科学のテーマで、論文を書きたいくらいです。

しかし、経営の実務には企業秘密の部分が多くかかわっています。

神戸の会社の出来事 企業間競争

経済は、平時の戦争と言われています。経営はそのミクロの世界で行われていることなので、我々も見えない敵と戦っているのです。

見えない敵に対して、我々の戦術を明らかにすることが出来ないのは残念です。

メニコンにとっても、自社の手の内を明らかにして、協働的に戦うパートナーは限られています。

1回の会議で話はまとまるとは限りません。

やってみて、実験の条件を変えてみることもあるかもしれません。

ホーソン実験のように、地名で名称を付ければ、これは神戸実験です。

2月と8月はニッパチと言って、小売業界では一年の中で閑散期と言われています。

その2月に人間関係論の実験をしてサービス向上を磨こうという考えです。

先行研究で明らかになった、人間は連帯的、献身的、感情的に行動する社会人あるいは「情緒人」であって、科学的管理方が前提としたような孤立的、打算的、合理的に行動する経済人ではないことは、考慮するべきことです。

企業においても、顧客満足度を高める要因は、労働条件、知識経験、職場環境などだけでなく、組織内の非公式な集団の影響を考慮し、コミュニケーションを重視することが大切であることから、組織への参加意識や心情にも配慮した取り組みとなります。

2019年2月5日(火)