朝日新聞 自分史の執筆は、進んでいます。杉山知之さんに指導を受けて、さらに完成度を高めていきます。

自分史を書き始めると、過去に多くの事を思い出し、あれも書きたい、これも書こうと思ってしまいます。しかし、てんこ盛りの内容では、ストーリーがぼやけてしまいます。

朝日新聞自分史の原稿執筆は、毎日の仕事の後でこつこつと書いています。

文章を考えて、パソコンで作成してみては、また読み直して、書き直します。

過去の、紙に書いて文章にする作業と比べ、パソコンの修正は、非常に効率的です。

今日は、朝日新聞の担当である杉山知之さんが、会社に打ち合わせに来られました。

これまで添付ファイルで送った文章を縦書きに直して、その上で杉山知之さんが鉛筆書きで修正を加えています。

文章の修正だけでなく、不要な文章は削るようにと言うアドバイスもありました。

自分史の中で、3つの大学院で学んだことや研究したことは専門性が高いので、自分史に書くにはやや難しいのではないかという、自分自身への疑問があります。

これに対して、杉山知之さんは、こんな事を言われました。

作家の井上ひさしさんの述べた言葉に、「難しい事を優しく、優しいことを深く」と、この気持ちで文章を書き進めて下さいと言われました。

これまでの原稿は、杉山知之さんが読んでみて、面白い内容だと評価されました。

今日の打ち合わせは、自分史全体のストーリーです。

これまで書き進めた文章を一旦見直してみれば、順序や配列を変える方が、読者には分かりやすくなるのではないかと、提案されました。

8割方文章は書けたので、残りは2割です。

この残りの中で、あと何を書くかを相談しました。

杉山知之さんは、朝日新聞の記者として、さらに原稿をチェックする担当者として、文章を書く専門家です。

その専門的立場から、いくつかのアドバイスを頂きました。

①注意すべき表記法

例えば、「の」を三回以上続けない

「~が、~が」を避ける

②分かりやすく書く工夫

「文は短く書く」

「主語と述語、修飾語と被修飾語の距離を短くする」

③不必要な言葉

「私は~思います。」主語は私に決まっているので、私は書かなくてよい。

④漢字とひらがなの区分

「~と言う」を使う場合は、実際に発言があった場合、

「~という」を使う場合は、発言ではなく、そういわれている場合

段々と打ち合わせは熱を帯びてきて、10時から始まった打ち合わせは、14時前まで続きました。

杉山知之さんは、これまで何人もの自分史の編集にあたってきていますが、自分史を書く人は、自分の歩んできた人生の面白さに気がついていない場合があるそうです。

原稿を読んで、筆者の面白いと思っている事と、編集者として読んだ面白さとは、違いが出るそうです。

この後、全体を書き通すと、そこから何度も校正をします。

もちろん、著者の意見も聞いた上での校正です。

更に、専門家の校正も受けます。

気がつかなかった文章上の間違い、事実関係の間違い、表現の不一致などは、だんだんと修正されていきます。

朝日新聞には漢字の使い方に、いわゆる「朝日流」があるそうです。

これは、例えば文藝春秋の場合は「文藝流」があり、朝日流とは若干の違いが出るそうです。

杉山知之さんから、短期間によくこれだけまとめられましたねと、激励の言葉がありました。

今日の打ち合わせは、過去に行った査読論文作成の指導を思い出しました。

論文の場合も、一旦全体を書いてみて、そこから不要な文章を削る作業がありました。

一つの論文で主張できる事は一つですと、先生に指導を受けたように、自分史でも、ストーリーから外れるようなエピソードを、あれも書きたい、これも書きたいと付け加えると、自分史全体の焦点がぼけるそうです。

打ち合わせが終わった頃には相当くたびれてしまいました。