デミング本賞2016は積水化学工業の大久保尚武さんが受賞しました。

国家レベルの品質管理は、日本にはデミング賞、アメリカにはマルコム・ボルドリッチ賞があります。 社長ブログ神戸/三宮ランチ/三つ輪

三宮で昼食を頂くとすれば、行きつけの店は絞られてきます。

今日は、奥さんと和食の三つ輪に来ています。

いつものように、奥さんを相手に、経済や経営のお話を、易しくわかりやすく話しています。

今日のテーマは、デミング賞(Deming Prize)です。

2016年のデミング賞本賞の受賞は積水化学工業で、受賞者は大久保尚武さんです。

受賞の理由は、大久保尚武さんが積水化学工業で進めてきた、顧客満足(CS)と人材育成を経営の軸とし、CS品質経営を発展させたことなどが評価されました。

デミング賞のアメリカ版は、マルコム・ボルドリッジ賞(MB賞)です。

アメリカは、日本が品質管理に力を入れて、アメリカをしのぐほどの輸出力を高めたことに対する警戒心が、メイドインアメリカの品質を高める必要性を強く感じ、国家が企業の品質に対して、表彰する制度を作りました。

それが、マルコム・ボルドリッジ商務長官が提出した、マルコム・ボルドリッジ国家品質賞(MB賞)です。

マルコム・ボルドリッジ賞は、日本の品質管理に対抗して、トータルクオリティーを評価基準にしています。

その評価は、

「リーダーシップ」(120点)、

「戦略策定」(85点)、

「顧客、市場の重視」(85点)、

「情報と分析」〔90点)、

「人材開発とマネジメント」(85点)、

「プロセス・マネジメント」〔85点)、

「業績」(450点)

など7部門計1,000点満点で採点が行われます。

2000年4月から、2003年3月までの、神戸商大大学院修士課程で、わが社のサービスの品質管理をどのようにするべきか、考えた時代のことを思い出します。

サービスは、管理しないと品質が一定になりません。

そこで、サービスの特徴を理解することから始まりました。

おさらいすると、

①同時性(simultaneity)
→売り買いした後にモノが残らず、生産と同時に消費されていく。
②不可分性(inseparability)
→生産と消費を切り離すことは不可能である。
③不均質性/変動性(variability)
→品質は一定ではない。
④無形成/非有形性(intangibility)
→触ることができない、はっきりとした形がないため、商品を購入前に見たり試したりすることが不可能。
⑤消滅性(perishability)
→形のないものゆえ、在庫にすることが不可能である。

こんな話を、三つ輪のお弁当を食べながら、奥さんにおさらいのように話して、今日の昼食は終わりです。