開聞山麓自然公園には、トカラ馬が放牧されています。

開聞山麓自然公園は、指宿ロイヤルホテルの所有する私有地です。鹿児島ツアー(5)

高校生のときに修学旅行で南九州をまわって、開聞岳(かいもんだけ)があるということを知りました。

あの頃は、寝るのが遅く起きるのが早いバス旅行のため、

バスに揺られるといつのまにか寝てしまい、何を見たのか、途中どんな道を走ったのか、さっぱり覚えていません。

ところどころで、集合写真の記念写真を撮ったので、その時の周りの風景はかすかに記憶が残っています。

その記憶の中の一つに、これから行く開聞岳があります。

ドライブ開始で、最初に着いたのは長崎鼻です。

長崎鼻は、有料の遊園地です。駐車場に車を停めて入口に行ってみると入園料はなんと1200円でした。

奥さんに、どうする?と目で合図をすると、奥さんも同じことを感じたのか、

もういいんじゃない?という、目で合図が返ってきました。

長年連れ添っていると、ちゃんとアイコンタクトができるのです。

長崎鼻の売りは、ここからは開聞岳が見える事と、園内で大きなインコを飼っている事だそうです。

亜熱帯植物がこの辺りは茂っています。

長崎鼻を見て、道路標識に従って開聞岳の方向に行くと、開聞山麓自然公園にたどり着きました。

入場料はなんと、わずか300円です。

これならと、迷わず入ってみることにしました。

300円の中には、駐車料金も含まれています。

入口から公園に入ると、右手にトカラ馬の放牧地がありました。

車を停めて、トカラ馬のそばにいき、柵越しに見ると、群れの中には仔馬がいました。

トカラ馬とは、トカラ列島に生息していた馬ですが、今では絶滅危惧種です。

開聞山麓自然公園は、園内を車で回ることができます。

先日の台風で、園内には台風で倒れた樹木が道をふさいでいるので、普段三合目まで行けるところが、今日は二合目までしか行けません。

素晴らしい景色なので、車を停めて、先ほど訪れた長崎鼻の方向を見てみました。

肝心の開聞岳が見えません。

開聞岳はどこにあるのでしょうか?

園内の関係者の方が、

「三合目まで行かれますか?三合目まで私が案内しますよ」と、親切に声をかけてくれました。

その方の車の後について、倒れた樹木に当たらないように注意して、登山道を車で登っていきます。

台風のために、相当ひどい被害を受けています。

時間がないので次は開聞岳の方に行きます。

お話を聞くと、この開聞岳自然公園は、指宿市のものかと思っていたら、私有の公園でした。

公園を所有しているのは、指宿いわさきホテルです。

鹿児島県の実業家で岩崎産業グループの創業者、岩崎與八郎さんの銅像が建っています。

トカラ馬は、悲しい歴史を持っています。

もともとトカラ島だけに生息していた馬でしたが、軍事用に軍馬として使われるようになり、内地の馬と品種改良が行われ、純粋なトカラ馬は、トカラ島から絶滅してしまいました。

ほかの島にわずかに残っていたトカラ島を、岩崎與八郎氏は、この開聞岳の麓に放し、繁殖に鹿児島大学と取り組み、現在では50頭を超えるほどまでに増えています。

トカラ馬は、公園の中では自由に放牧されているので、動物園の檻に閉じ込められた馬と比較すれば、とても恵まれた環境にいます。

開聞岳が見えない理由がわかりました。私は開聞岳の山すそにいるのです。

私の立っているその場所は、開聞岳そのものでした。

振り返ると、開聞岳が見えてきました。

開聞岳は富士山のような形をした美しい山です。

その山すそに、広大な自然公園を、指宿ロイヤルホテルが所有しているのです。

しばし、開聞岳とトカラ馬、そして目の前の海の織り成す美しい景色に見とれていました。



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