大阪府立大学社会人大学院の同期生、楠木新著「経理部は見ている」を読みました。

会社の社員は経費を経理部から見られています。 会社経営者は、経費を税務署から見られています。 社長ブログ神戸/府大の友人/楠木新著/経理部は見ている

楠木新「経理部は見ている」の本の広告が、日本経済新聞の朝刊に出ていたので、六甲の書店で購入しました。

楠木新さんはペンネームです。

彼とは、大阪府立大学社会人大学院、2005年4月入学から、2007年3月終了まで、同期生として一緒に学びました。

タイトルの「経理部は見ている」は、新規性、共感性があるかどうか考えてみると、確かにあります。

帯の「人事部より実は怖いかも。」は、黄色の帯で視覚効果はあります。

同じジャンルの本との差別化、テーマの違い、読者の対象の違いなどはどうでしょうか?

本屋さんに行って陳列を見ていると、あまり類書は見当たりませんでした。

第1章 経理部は、なぜ「うるさい」のか

主に、税務署と企業の経理部との違いについて書かれています。

なぜ経理部がうるさいのかといえば、経理部は会社の機関であり、企業として、監督官庁、特に税務署、一般株主および金融機関、取引先、そして社内で働く社員の皆さんなど、多くの利害関係者がいます。

そこから、

①税務対応が必要である

②決算対応が必要である

③コンプライアンス対応が必要である

特に税務署に対しては、会社の経費であるかどうかは明確にする立場にあります。

第2章 2人分の定食を食べるな

読んでみると、内容は、飲食代等の拡張請求です。

これは、私にも取引先との関係で経験があります。

というのも、私は45年の経営期間で、取引先との接待を受けることはほとんどありませんでした。

要求もしません。それをいいことに、私の名前で、ある会社の部長が、松葉博雄社長を接待したとして、たくさんの接待費を使っていたそうです。

あまりにも回数と金額が多く、とうとう経理担当の重役が、東京から神戸にやってきて、私に苦言を言いました。

そこで初めて、私が大阪の新地で、豪勢な料理や、高い社交場で接待を受けていることを知りました。

もちろんこれは、私の立場と名前を利用した架空接待です。

第3章 あなたの出張費も見られている

このテーマは、週刊誌でよく取り上げられるテーマです。

手口訪問に、交通機関の差額、宿の差額、タクシー代の操作などの手口の紹介です。

旅費をごまかしたら、懲戒解雇になる企業もあるそうです。

これは気軽にできそうな手口でも、ばれたり密告されると、重い処分が待っています。

第4章 経理部員だけが知っている、会社とお金の深い関係

企業は、毎年、貸借対照表と、損益計算書を作成し、税務署、株主、金融機関などに提示しています。

財務諸表を作成するまでに、まず提出された伝票を仕訳することになります。

この仕訳によって、勘定科目が変わってきます。

飲食費が場合によっては、会議費になる場合もあれば、接待交際費や、福利厚生費になる場合もあります。

仕訳の結果は、①と②に反映され、決算数値がかわることがあります。

①企業会計原則の順守

②税務調査

第5章 社員の行動は、レシートで把握する

レシートに日時、時刻、人数、メニューなどがあれば、社員の行動のシナリオが描けるようです。

場合によっては、今話題の議員の政務活動費のように、領収書の改ざんもあるようです。

第6章 社員の人柄、品性はお金で見える

人の行動パターンとして、一定の枠の経費より、安く抑えようとする特性があるようです。

そこから差額をなんとか自己の利得につながるように、涙ぐましい行動が出てきます。

このような行動をとる人たちを、

①課題社員として、グズ、手抜き、酒飲み、インチキと類型しています。

②お金の使い方にその人の特徴が現れる。

昇進につながる人になったり、経費を流用し、抗弁できない立場に陥ってしまう人になったりです。

第7章 ダークサイドに落ちるな

過剰接待、経費の水増し請求などは、お金の持つ魔性の罠にはまってしまうことになります。

わが社の取引先でも、部長がネオン街から離れることができなくなってついつい金額が膨らみ、隠し通せなくなり、退職勧告を受けた事例がありました。

読みやすい本だったので、一気に読み切りました。

会社員の場合は、見ているのは経理部ですが、会社経営者の場合は、見ているのは税務署です。

税務署は、調査結果が正しければ、是認通知がいただけて、信用が得られます。

是認通知を繰り返すと、税務調査の回数が減ってきます。

会社経営者の立場から、「経理部は見ている。」を読むと、税務署は見ているに置き換えれることがわかりました。



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