法隆寺で、風が吹けば桶屋が儲かる、話しを思い出します。

法隆寺と言えば、『柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺』です。 奈良県大人の修学旅行(4)法隆寺 聖霊院 奈良一日目

法隆寺といえば、思い出すのは有名な正岡子規が詠んだ俳句

『柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺』です。

その俳句を詠んだ場所に句碑があり、大抵の人はここで改めて正岡子規の詠んだ句を反復唱和しています。

この歌は、たまたま正岡子規が、法隆寺の茶店で一服している時に柿を食べていて、その食べ始めに法隆寺の鐘の音を聞き、読み下したと言われてます。

従って、柿を食べると、法隆寺からの鐘の音が聞こえるという、因果関係は全くありません。

この俳句は、松尾芭蕉の『古池や蛙飛びこむ水の音』と並んで、俳句の名句と言われていますが、どちらの歌もそれほど難しい描写ではなく、ひょっとしたら私にでも詠めそうな気がする俳句ですが、これもコロンブスの卵で、出来上がった俳句を詠めば簡単そうですが、こんな俳句が自然に詠めるようになったら大したものです。

5月の中旬のお天気の良い日に、法隆寺の広い境内を道順に沿って歩いていると、紫外線が強く、強い日差しを遮るには、広いつばのある帽子が必要です。

聖霊院は、鎌倉時代に聖徳太子信仰の高揚にともなって、聖徳太子の尊像を安置するために、東室の南端部を改造した建物です。

この中には、法隆寺の御本尊である聖徳太子の45歳頃の像と、左には聖徳太子の長子 山背大兄王や兄弟皇子の殖栗王の像が祀られています。

修学旅行の団体の後を追えば、その大勢の学生達が砂埃を立てているので、汗がにじんだ顔に埃が付着して、涙に混じって目尻から目の中に染みこんできます。

これが目が痛い原因で、昔、埃が目に入って盲目になった人もいたそうです。

それを因果関係で表したのが、『風が吹けば桶屋が儲かる』の話しです。

どういうことかと言えば、

①風が吹いて、砂埃が目に入って痒いので、手で目を掻いている内に、それが原因で目が見えなくなった人がいます。

②目が見えなくなった人の生活は、芸事で生計を立てるしかありません。

③芸事に使う楽器は、三味線です。

④埃が原因で失明する人が増えれば、三味線の需要が増えてきます。

⑤三味線は、猫の皮を使って作るので、三味線の需要が増えれば、猫を捕獲することが多くなります。

⑥猫を沢山捕れば、猫が捕獲していたネズミは増えてきます。

⑦猫が少なくなったお陰でネズミが増えて、ネズミは安心して人の家のものをかじるようになります。

⑧ネズミは歯が伸びてくるので、家の中の桶をかじって、桶を台無しにしてしまいます。

⑨ネズミにかじられた桶は使えなくなるので、桶を再調達することになります。

⑩そこで、桶屋さんに桶の注文が来るようになり、この一連の因果関係から、風が吹いたら桶屋が儲かるという結果に繋がってきます。

法隆寺の境内を歩きながら、埃が目に入って、そのことから、こんな風が吹いたら桶屋が儲かるということを思い出しながら、次の場所に移動していきます。

2016年5月18日(水)