コンタクトレンズ企業の経営戦略はどうあるべきか 価格競争と安全性重視のジレンマ

コンタクトレンズ企業の経営戦略 Porter(ポーター)競争戦略論Barney(バーニー)VRIO理論Kim & Mauborgneブルーオーシャン

コンタクトレンズ企業の経営戦略

メニコンの担当者と、

経営戦略のすり合わせをしています。

メニコンの基本戦略は、

メルスプランにあります。

コンタクトレンズ企業の経営戦略 起業家精神の定義と認識について

1.何もないところから価値を創造する

2.人的エネルギーを結集し、

 事業を創造し、組織を作り上げる

3.起業機会の認識

ティモンズはこのように定義しています。

コンタクトレンズ企業の経営戦略 メニコンの場合

メルスプランを作ったのは、

メニコンの田中英成社長です。

田中英成社長は、

まだ社長に就任する前の役員の時に、

メルスプランを考えました。

これは、ティモンズの定義する、

何もないところから価値を創造したことであるといえます。

従来コンタクトレンズメーカーの販売方法は、

取引先の販売会社に対して一回ごとの商談でした。

田中英成社長はこの伝統的な商習慣に対して、

定額会員制のプランを提案し、

全国の取引先の中で価格競争に溺れない

一定基準の取引先に対して、

メルスプランの加盟店になるように働きかけました。

これは、ティモンズの人的エネルギーを結集し、

事業を創造し、組織を作り上げる定義に当てはまります。

コンタクトレンズ企業の経営戦略 過度な価格訴求

コンタクトレンズの価格競争が行き過ぎると、

メーカーにとってみれば、

研究開発に長期間を費やし、

厚生労働省から販売許可を受けても、

市場に上市されると、

たちまち、ディスカウンターから、

価格競争の対象にされると、

研究開発費の回収すら難しくなります。

一方販売店にとっても、

近隣の販売店同士が同じメーカーの

同じレンズで価格競争をする事になり、

一見得をするのは、

コンタクトレンズのユーザーのように思えます。

コンタクトレンズ企業の経営戦略 ユーザーの安全性確保

しかしユーザーにとって大切なのは、

コンタクトレンズを使用し続ける安全性です。

安全性を担保するには、

販売店にとってみれば、

従業員社員の長期的な雇用が前提になります。

コンタクトレンズは、

高度管理医療機器に指定されていることから、

そこには専門性が求められるからです。

専門性を高めるためには、

長期的なコンタクトレンズへの仕事の取り組みが必要です。

ディスカウンターの一部には、

社員の存在を単にコストと考えて、

コスト削減を目指す事があります。

出来るだけ、安く

人件費を上げようという考えに陥ってしまいます。

これでは、コンタクトレンズのユーザーに対して、

長期的に安全性をサポートするための技術研修や、

経験を積む事が難しくなります。

田中英成社長は、

このような本来有るべきコンタクトレンズの

安全性を阻害するような販売環境に対して、

ティモンズの言う事業環境の変化と、

その予測に注意を払い、

事業機会へと発展させた事になります。

コンタクトレンズ企業の経営戦略 代表的な競争戦略論には、

1.Porter(ポーター)の競争戦略論

2.Barney(バーニー)のRBV(resource Based View)

3.Kim & Mauborgneのブルーオーシャン戦略

があります。

Barney(バーニー)の主張するRBV(resource Based View)とは、企業内部に有する資源(resource)に着目した戦略です。

VRIOフレームとして知られています。

1.経済価値(value)

2.希少性(reality)

3.模倣困難線(inimitabilty)

4.組織(organaizaition)

メルスプランも、内部の資源に着目した戦略です。

これまで社内で蓄えた資源を使って、

新たな投資をしなくてもすみました。

資源の中で重要なのは、

コンタクトレンズに精通した社員、

コンタクトレンズの製造設備、

コンタクトレンズを全国的に販売する流通網、

そして、長年の地域に地盤を持つ取引先です。

これらの資源は、とても真似の出来ない資源でもあります。

こうしてみると、メルスプランは

Barneyの主張する、VRIO理論でも説明が出来ます。

コンタクトレンズ企業の経営戦略 Kim & Mauborgneの主張するブルーオーシャン戦略でも、メルスプランは説明が出来ます。

ブルーオーシャンの発想は、

1.ライバルと同じ市場で戦う限り、

どれほど巧妙に戦略を練ったところで、

いずれ消耗戦を強いられる事になる。

2.いま企業が目指すべきは、

競争自体を無意味な物にする未開拓の市場

『ブルーオーシャン(青い海)』の創造である。

ブルーオーシャンに対して、

レッド・オーシャンがあります。

文字通り、競争が過激で、

血の海となっている市場です。

コンタクトレンズは、

各メーカーが最新の科学技術を駆使して作り上げた、

高度な医療機器です。

しかし一旦市場に出ると、

コモディティー化が進み、競争が激しさを究め、

市場はレッド・オーシャンになっていきます。

コンタクトレンズ企業の経営戦略 差別化戦略

これを避けるには、メルスプランでは、

ビジネス特許を獲得して、

他社からの真似を防いでいます。

メルスプランの加盟店は、

地域ごとに厳選されて、

加盟店同士の会員獲得競争はありません。

仕組みが定額制なので、

全国一律の会費で、同じようなサービスを

加盟店から受ける事が出来ます。

これが、競争のない、ブルーオーシャンを作っています。

コンタクトレンズ企業の経営戦略 ポーターの競争戦略は、

コストを削減して、利益を得るという考えなので、

従来のコンタクトレンズの販売競争には、

説明がつきますが、

コンタクトレンズを安全に使うためには、

コストリーダーシップでは、弊害が出ています。

田中英成社長は、「安全哲学」を提唱し、

コンタクトレンズを安全に安心して使えるように、

周辺の環境を整えようとしています。

作り手、売り手、使い手、

それぞれがコンタクトレンズの

安全性という面に着目しています。

このような考え方を、

メルスプランの主催者であるメニコン社は、

基本理念として持っています。

これに対して、私たち販売店も、

メニコン社と経営戦略をすりあわせる事で、

相似形の経営戦略となるように、

絶えず意見交換が必要となってきます。

経営戦略 関連記事 アーカイブ

2016年1月26日(水)