兵庫県篠山市の篠山城の桜は、神戸より北にあるため、少し遅れて咲きます。

2006年4月の中旬のある日、近隣ドライブに出かけました。今頃が多分篠山城の桜の見頃だろうと思い、お弁当も持たないで、出かけました。

篠山は5万石の古い城下町です。後から、6万石になりました。お城のすぐ側には武家屋敷があり、今ではそこは、郷土歴史館になっています。

見た感じ、東映時代劇のセットのようで、電柱がなければ、アスファルトがなければ、映画の撮影に使えそうです。

 

この屋敷の中にも、桜が咲いていました。郷土歴史館の門をくぐり、入場券が必要なぎりぎりのところまで入って行きました。

敷地内の庭の方から、桜を見ると、益々、東映時代劇の雰囲気が迫ってきます。

欲を言えば、今、この瞬間に、この場所で映画の撮影をしていたらいいのにな、と思いました。

篠山市立歴史美術館には何度か入場したので、今回は入っていません。その隣には城下町で作った近郊のおみやげ売り場があります。そこへ行きます。

篠山城下町は、この度、目出たくも、国の重要伝統的建造物の指定を受けました。

こうなると、生徒が、先生に、「このごろ良く勉強できるようになったね。」と褒められた様なものです。社員が、社長から「君の成績が最近素晴らしいね。」と励まされた様な物です。

篠山市は奮い立っています。お城の周りは、重要伝統的建造物のクラスターのようになっています。埋めた堀をもう一度、掘り起こし、お城にふさわしい外観の工事をしています。

郷土物産展では、今日は松葉博雄の主食となるお米を買いました。お城に行くにあたっては、お弁当として篠山の名物、「鯖寿司」を買いました。三岳の鯖寿司です。

お城の周りの桜は、今はほぼ八分咲きのようで、丁度見頃です。

とっても美しい風景がこれから見られます。お城の周りをぐるりと車で回ってみました。

お城には堀が張り巡らされ、桜の陰が写っています。なんという美しさでしょうか。

 

大手門を通り、復元された大書院のある最上段の方へ向かいました。

お弁当を食べる場所を探しています。

ちらっと見えた、注意書きに「城内での飲食をご遠慮ください。」と書いてありました。

やはりそうです。国の重要伝統的建造物を受けたからには、品行方正にし、歴史的景観を守り、桜の木の下で飲食をするなどは、もってのほかになってしまいました。

篠山本丸跡には、縄張りを示す石畳が敷かれ、およその広さが想像できます。

昔の建物は、灯りが取れないので、きっと、暗くて、近視の人は困ったはずです。

もちろん夜物が見えにくい、所謂、鳥目の人も困ったはずです。

とてもいい景色が見つかりました。遠くに富士山のような形をした、美しい形の山が見え、手前には石垣より堀に向かって、下に伸びている枝に、いっぱいの、こぼれるような桜の花が見えました。

写真で撮ると、とっても美しい景色になっていますが、実際の現場では、これにはこの風景とは似合わない、音楽が拡声器によって聞こえてきました。

どこの誰が、この国の重要伝統的建造物の周りで、無粋な音楽を流しているのでしょうか？

お城から出て、お弁当を食べる場所を探しながら、彷徨っています。風は冷たく、今にもポツポツと降りそうなお天気模様で、出来たら襟巻きが欲しいくらいの寒さです。奥さんは、気を利かせて熱いお茶を求めて、屋台のお店を回りました。

しかし、裏を読んで、周りが冷たい物を売るときに、熱いお茶を用意するのは、売れなかったときのリスクもあります。まあ、仕方がないかなと思って飲みました。それが、足下を見られて、一本100円のお茶が、熱いお茶ということで、200円もしています。

何しろ、4月の花見の頃には、ビールと一緒に、お茶もクーラーボックスに入れて冷やしていて、熱いお茶を売るなんて、競争相手がいないのです。まさに独占状態の、独占価格でした。

先ほど買った、三岳の鯖寿司が今日のお花見のお弁当です。周りを見ると、お堀の側で敷物を敷き、家族連れで、主におじさん、おばさんが、お弁当を食べています。

三岳の鯖寿司は、期待していたのですが、寒さのせいか、ビールが無いせいか。。。

お弁当を食べた後は、以前何度も行った、美しいしだれ桜のある中学校に行きました。ところが、あろうことか、中学校がありません！全部綺麗に取り払って、バスの駐車場になっていました。

これも国の重要伝統的建造物の全体計画の中に組み込まれた景観作りがあるのではないでしょうか？

幸いなことに、校門も、校舎も取り払われたにもかかわらず、あの美しいしだれ桜は残されていました。きっと、この桜なら、観光客を呼べると読んだのでしょうか？桜にとっては、美しさは身を守ってくれたことになります。

丹波篠山に来たときは、いつも寄る、お城の周りで買い物をします。丹波篠山名物の清明堂の桜餅を買います。次に小西の黒豆パンを買います。

駐車場があいていなかったので、いつも寄る出口食品での食料品の買い物は出来なかったのが残念です。