佐賀県玄海町仮屋湾直送の真鯛は、松葉博雄の手にかかり、料理されてしまいました。

切れない包丁で、鯛を三枚におろしてみると、包丁の刃はボロボロになって、使い物になりません。

佐賀県玄海町仮屋湾直送の真鯛が届きました。今日は休日の木曜日なので、これから松葉博雄が真鯛を料理します。

奧さんに包丁があるか尋ねると、以前にあった魚料理用の出刃包丁は、誤ってゴミと一緒に捨ててしまって、今はないそうです。これは困ったことです。弘法は筆を選ばずといいますが、松葉博雄は包丁を選びます。

仕方がないので、ご近所で包丁を借りてきていますが、その包丁もとても鯛をおろせるような、するどい丈夫な包丁ではありません。

まずは鱗が飛ばないように、台所から出て、外で料理をする事にします。指を切ってはいけないので、左手には軍手をはめています。この軍手は、魚のぬるぬるとした表面の滑り止めです。

では、鯛の御料理を始めます。といっても包丁がないので、どこまでうまくいくかも分かりません。沖縄の恩納村前兼久では、朝日会で獲れた魚の料理を皆さんがしているのを見ているので、それを思い出して、鯛を三枚におろします。

借りてきた包丁では、鱗を取る段階でもう限界でした。家にある一番大きな包丁にバトンタッチです。

まな板の高さを調節する為には、植木鉢の台を使います。水道に繋がっているホースを奧さんに持ってもらって、鯛の解体が進む段階で、時々水をかけてもらっています。

玄界灘で育った真鯛は、とても大きな鯛で、その鱗も一枚一枚がとても堅くて丈夫な鱗でした。

鱗を落としたら、お腹をさいて、はらわたを取り出します。この中で、肝は美味しいので別格にして置いておきます。今夜の鍋に使います。

頭としっぽを切り落とします。切り落とした頭を、鯛のかぶと煮にするためには、頭を真っ二つにしたいのですが、今使っている包丁ではとても無理です。

包丁を見ていると、すでに刃こぼれがしています。年末にこの包丁を、近所の散髪屋さんに持って行って、磨いてもらっていますが、その磨いた包丁も、すでにノコギリのように刃こぼれしてしまいました。

そばで見ている奧さんは、刃こぼれの状態をハラハラしながら見ています。

やっと三枚におろした鯛は、本来なら片身はお刺身になるところですが、包丁が、お刺身が出来るような、歯切れの良さではありません。

仕方がないので、みな切り身にして、煮付けと汁物にします。

お昼ご飯は今おろしたばかりの鯛の切り身を、松葉博雄が味付けをして、これから頂きます。

数日前には、九州の沖の玄界灘の海深く、えさを求めて泳いでいた真鯛も、今日はクール宅急便で送られ、神戸に届くと、松葉博雄の手にかかり、あえなくも料理されてしまいました。

お昼にビールと一緒に頂いた真鯛は、とても美味しい、鯛の味が舌に伝わってきました。

2014年1月9日(水)