小倉城を歌姫に例えると、バックコーラスは和服でない、蝶ネクタイの違和感のある、背景でした。

宮本武蔵と佐々木小次郎の巌流島の決闘に使われた、竿と長剣物干竿が展示されていました。とても重いことに驚きました。  北九州市 小倉へ出張(5)

稚加栄で昼食を終えて、勉強会まで少し時間があります。せっかく小倉に来たんだから、小倉らしいところは何かないか、小倉にしかないものは何か、そう考えると、頭に浮かんだのは、小倉城です。

タクシーを利用して、小倉城に奥さんと一緒に行ってみます。小倉城は、稚加栄から近い距離でしたが、歩くには少し遠い距離でした。

タクシーを降りて、小倉城の前に立って、あっと驚いたのは、小倉城の環境を守る文化的な配慮が、ほとんどなされていないことです。

小倉城の背後には、小倉城の歴史的な景観を打ち消すような、平成のビルディングが建っています。これは、例えて言えば、お姫様の衣装を着て、元禄花見踊りの歌と踊りをしている、歌手の後ろのバックコーラスが蝶ネクタイを着て、背広を着て、並んでいるようなものです。

これでは、美しい小倉城がかわいそうです。せっかく戦国の世が終わり、天下太平の時代が来て、お城が戦争のためのお城から、治安のためのお城になった、その美しさが引き立っていません。

奥さんと、これでは小倉城がかわいそう、かわいそうと言いながら、大手門を通り、お城の入り口に向かいます。

小倉城は、戦国末期の1569年、中国地方の毛利氏が、現在の地に城を築きました。そのあと、毛利勝信が、現在見られるような縄張りで総石垣造の城郭を築き、細川忠興によって、1602年に本格的に築城が始まりました。

お城の背景に、近代建築がなければ、小倉城も往時を偲ぶ、城らしい姿になりました。

いよいよ天守閣への入場門です。お城に比べて、わりに小さな門です。

中に入ると、入場券売り場がありました。大人1人350円です。

小倉城のオリジナルマスコットはとらっちゃです。なぜとらっちゃが小倉城のマスコットになったのでしょうか。とらっちゃは、小倉城再建50周年を記念して作られた、小倉城マスコットキャラクターです。城内にある「迎え虎」「送り虎」をモチーフに、虎が選ばれたそうです。

お城の中に入ると、小学生の児童達の見学がありました。ミニチュアサイズの小倉城を築き、小倉城ができた当時の規模を演出しています。

写真を写していいですよと、案内があったのは、虎の大きな絵です。その名も「迎え虎」です。

太鼓もありました。これで登城を呼びかける、合図の太鼓でしょうか。

「迎え虎」に対して、「送り虎」がありました。

天守閣にのぼってみます。小倉城ではエレベーターがありません。急階段を歩いて、手すりにつかまりながら、一段ずつのぼっていきます。

天守閣から見ると、小倉城は、内堀も外堀も、まるで大阪城の城攻めのように、埋め立てられています。しかも、本来お城の敷地だったはずの埋め立て地は、民間の土地になっています。

小倉で有名なのは、宮本武蔵と、佐々木小次郎の巌流島の決闘です。

≫2013年11月7日

実物ではありませんが、宮本武蔵と佐々木小次郎が、決闘に使ったものとほぼ同じ大きさ、重さの長剣と、竿が展示されています。

持って行かれないように、鎖でつながれています。ちょっと持ってみると、意外や意外、大変重い竿と長剣です。こんな重い刀を持って、竿を持って相手に対峙し、一瞬にして宮本武蔵は佐々木小次郎の額に、竿を打ち下ろしたそうです。

2013年11月19日(火)