久美浜 稲葉家本家の東には、稲葉家の東家があります。通称は、東さんと呼ばれているようです。久美浜訪問記(5)

久美浜 稲葉家本家の東には、稲葉家の東家があります。通称は、東さんと呼ばれているようです。東さんのお家から、久美浜の浜辺に歩いて出られていました。敷地内では、丸子船の修復にも取り組んでいます。 久美浜訪問記(5)

久美浜の街に戻って、yukiちゃんの案内で、

稲葉家の分家によります。

稲葉家では、分家が多く、本家を中心にして、

東にある分家を、ひがしさんと呼んでいます。

なるほど、みなさんお名前は稲葉さんなので、

稲葉同士が、稲葉さんに稲葉さんと呼んでいると、

訳が分からなくなるので、

稲葉本家の東にある稲葉さんは、

ひがしさんと呼ぶようになったそうです。

ひがしさんの家の前には、久美浜湾から疎水のように、

海水が流れ込んできています。

この景色、どこかで見た景色です。

そうです、琵琶湖の周辺の景色です。

ひがしさんのお家は、敷地が2000坪以上あり、

庭が久美浜の海に続いていたそうです。

残念なことに、浜辺は埋め立てられ、

今は浜から少し離れています。

とても広い家で、母屋の他に、いくつもの長屋があります。

その長屋の中には、今は廃れてしまった

久美浜の海を行き来していた丸子船の復元作業が始まっています。

母屋から海岸に向かって、お庭を歩いています。

昔のままの土蔵や、長屋が遺っています。

この、家から浜辺にいたるまでの庭を見ていると、

思い出すのは、尋常小学読本唱歌『海の子』の歌です。

我は海の子白浪の

さわぐいそべの松原に

煙たなびくとまやこそ

我がなつかしき住家なれ。

稲葉家では、糀を元に、お酒、味噌、醤油、

などを作っていたそうですが、作ったお酒、醤油、味噌は、

樽にいれられ、船で運ばれていたようです。

そうなると、自家用の船が必要で、多くの和船を所有していたそうです。

その、和船の維持も必要で、

船大工さんも抱えていたようです。

そこで、和舟工房が遺っています。

北前舟貿易で財の基盤を成したこともあり、

舟や舟にゆかりのある船具、工房が配されています。

北前船と言えば、淡路出身の高田屋嘉兵衛も使っていました。その模型です。

和船工房の部屋を覗いてみました。

中には修理中の丸子船があり、

外には丸子船に使う柱や櫓が保存されています。

このように、久美浜を中心とした、

江戸時代の経済文化を残すのは、稲葉家しかできません。

稲葉家のひがしさんの奧さんから、

家に入るときは玄関から入って下さいと言われ、

木戸口を出て、もう一度外に回り、

改めて正面玄関から稲葉家へ入ります。

玄関には、稲葉と書かれた大きな暖簾がかかっています。

ひがしの稲葉家では、造酒屋をしていたそうで、

近年、昔の骨組みを残して、リフォームをしたそうです。

使った檜は、すべて、

今の稲葉家(ひがし稲葉家)の山林から切り出した、

檜を使ったそうです。

調度品も、昔の物を使って、現代風に少し手を加えた、

椅子、机、家具が並んでいます。

天上を見ると、昔暗かった酒蔵は、明かり取りがされ、

部屋の中まで日が差すように工夫されています。

古民家を研究して、新しくリフォームする研究者もいるそうで、

京都から来てもらって、リフォームしています。

2階から見る景色は、稲葉家の亡くなったご主人が、

学生時代に覚えていた、家の母屋から、

そのまま久美浜の海に出られた、昔の思い出を元に、

2階からは海が見えるように増築したそうです。

部屋の隅には、旧家の稲葉家には対照的な、

可愛いフランス人形が椅子に腰掛けています。

これは誰の趣味でしょうか?

確かに、2階からは久美浜の海が見えます。

少し前、まだ海岸線が埋め立てられていない頃は、

もっと身近に、1階からでも久美浜の砂浜が見えていたそうです。

酒蔵の構造を支える梁は、今も遺っています。

暗かった屋根裏も、明るく見えています。

相当な研究の末、リフォームが出来た事が伺えます。

お部屋を一通り見せて頂いて、稲葉家の東さんの奥様と、しばし団らんです。

稲葉家本家も、稲葉家東家も、近年骨董品の窃盗団に入られています。

めぼしい骨董品、中でも皿や、茶碗、とっくり、

壺などの焼き物は、良い物を狙って、持ち去ったそうです。

一度泥棒に入られて、それからは、セコムとか、

監視カメラとかを設置して、十分な防犯対策をしています。

2013年8月7日(水)

久美浜 稲葉家本家の東には、稲葉家の東家があります。通称は、東さんと呼ばれているようです。久美浜訪問記(5)” に対して1件のコメントがあります。

  1. yukiちゃん より:

    今パソコン教室に来ています。インストラクターの方に習いながらこれを書いています。

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