ことわざに、幸運の女神が通り過ぎるうちに、女神の前髪を掴め、といいます。

マスコミに取り上げられ、噂になり、お客様が増えると、一時の幸運から、上昇気流に乗れれば、しめたものです。

魚匠薬膳マルミールは、JR元町駅から徒歩3分、 トアロード入口すぐ右手にある和食と薬膳料理のお店です。2012年7月にオープンして、間もなく1周年です。

2013年7月13日に毎日放送「せやねん!」という番組で魚匠薬膳マルミールの鯛茶漬け御膳が紹介されていました。鯛茶漬けは大変人気があるそうです。

テレビで紹介されると、つい行ってみたくなるのが人の常で、松葉博雄の奥さんが、積極的に行きたがり、お店を探して見つけたのが、今日のお店です。

昔、みのもんたさんが司会する、「愛の貧乏脱出大作戦」という番組がありました。この番組に紹介されると、これまであまり流行らなかった店が、急に流行り出しました。

しかし、何年か経って、もう一度そのお店が流行っているか、みのもんたさんが追跡調査をすると、多くの店が、一時的ブームに沸いて、その後は元の黙阿弥になっていた事例が記憶に残っています。

お水には炭が入っていました。

今日のマルミールも、毎日放送で紹介された直後は、お店の前に行列が出来たそうです。中には、あまりの待ち時間に、業を煮やして、怒って帰られたお客様もいたそうです。

松葉博雄は、魚匠の極み弁当(1.800円)を選びました。奥さんは、テレビで紹介された、鯛茶漬けお膳(1.480円)です。

極み弁当の献立は

・本日の鮮魚2種盛り合わせ
・本日の創作小鉢
・皮付き豚の五香粉煮込み
・海老・野菜のかき揚げ
・天然鮎の踊り焼き たて酢
・自家製ちりめん有馬煮のコシヒカリ
・すっぽんコラーゲンスープ
・自家製わらび餅 黒豆きな粉と巨峰

と、いろいろ入って楽しみながら頂けました。

最初に出たスープは、すっぽんのスープです。なかなか深い味わいです。

奥さんの選んだ鯛茶漬けは、お膳の真ん中に、泳げたいやき君を連想させるような、鯛焼き模様のお皿です。

たいやき君のお皿には、鯛の刺身が盛りつけられています。

鯛茶漬けといっても、その辺のお茶で食べるのではありません。ちゃんと鯛のアラで出汁をとった、特別製のお茶です。白いご飯の上に、鯛の刺身を乗せ、その上から熱々の特別の出汁をかけて、お茶漬けになります。

お味噌汁は、やや薄めに作られていました。鯛茶漬けのつゆだけで、相当な塩分ですから、これ以上塩分を摂りすぎてはいけません。

サービス係の男性が、食べ方を指導するために、テーブル席で細かく教えてくれました。

ミニ懐石は、注文したときに「20分はかかりますよ」と念押しされました。その理由は、四国吉野川の鮎を、注文を受けてから焼くからです。

吉野川の鮎は、養殖鮎に比べると、体型がやや違っていました。添え物に付けられていた沢蟹は、まるで生きているような、自然の中にいるときの姿のようです。

作務衣を着たサービス係の男性は、ミニ懐石の時も、それぞれの食材の産地を解説してくれました。

奥さんは、お椀に盛りつけられたご飯が、とても食べ切れそうもなかったので、箸を付ける前に、ご飯の量を半分くらいに減らしてもらっています。

松葉博雄も、自宅でこれまで、自家製の鯛茶漬けを作っていたので、出汁の味を試飲させてもらいました。

松葉博雄が作る鯛茶漬けの出汁と、マルミールの鯛茶漬けの出汁の味を、深く考えるように、口に含んで、舌に転がして、味わってみました。

ミニ懐石には、お刺身も、天ぷらもあります。天ぷらの揚がり方は、ぱりっと揚がって美味しくいただきました。

押し型で作ったミニ懐石のご飯は、やや物足りないほどの、少量です。

さて、鮎が焼けて、熱々の鮎を、これからいただきます。本職の鮎の焼き方は、いつものように、波打った焼き方です。塩の振り方は、尾っぽの方に少し白い塩が認められるくらいの、やや控えめの塩の振り方で、減塩指向には、好感が持てる塩の振り方です。

吉野川の鮎と言えば、四国徳島に、阿波踊りを見に行ったとき、徳島のお店で食べた鮎を思い出します。

沢蟹の唐揚は、両手を広げ、何かに威嚇するような、生きているときの蟹の仕草を感じます。

最後は、わらび餅です。辛党の松葉博雄には、わらび餅は苦手で、これは奥さんにプレゼントです。

わらび餅といえば、名古屋の「芳光(よしみつ)」のわらび餅が、我が家では大変人気ですが、芳光と比べると、どんな味でしょうか?

お昼のランチなので、せっかくの吉野川の鮎でも、ビールは頂いていません。短いお昼の間なので、食べ終わった頃には、すぐにお店を出ることになります。

先ほどのサービス係の男性が、精算を担当しています。松葉博雄の奥さんが、毎日放送のテレビで、マルミールの紹介番組を見たことを言うと、「そうなんです、こんなに沢山お客様が来られて、お店は大混乱しました。」と言って、スマホの写真を見せてくれました。

こうして考えると、テレビ局の力で、一時大賑わいするのと、地道に紹介客や、リピーターで、お客様を増やしていくのと、長期的に見れば、どちらが本当の実力なのかは、分かってきます。

しかし、ビジネスをしていれば、突然幸運が舞い込むことは、願ってもない事です。

愛の貧乏脱出大作戦のように、一時の幸運を、バネにして、そこからさらに上昇していければ、運も実力のうちと、言えることになります。たいていは、幸運を使い果たしてしまう事例が多いようです。

奧さんが頂いた鯛茶漬けもとても美味しかったそうで、この美味しさならお客さんもまた来たいと思う事と思います。この記事を読まれた方にも、是非味わって頂きたいと思います。

 

2013年7月17日(水)