何を話そうか、聞いてみれば、地元産の食材を使っての料理を提案していました。

何を話そうか、マイクを通して買い物客に話しかけているのは、地元の農家の方が寒い中で作った、野菜を使った料理方法を話しています。  高砂ツアー(4)

何を話そうか、と考えると、ヤマダストアーでは、いろいろ理念について考えました。

高砂の阿弥陀町をツアーしていると、国道沿いに株式会社ヤマダストアーのお店が目につきました。普通のスーパーマーケットとは違った雰囲気のお店です。興味をそそられ、お店に入っていきました。

お店に入ると、入り口の近くに生鮮食料品売り場がありました。その一角に、高砂市の地域の農家が出品する、太陽市のコーナーがありました。

最近よく見る道の駅のように、生産者が持ち寄った生鮮食品を委託販売する販売方法です。ちょっと違うのは、やや高級品を扱っているようで、神戸のスーパーマーケット「イカリ」のような、ややワンランク上のコンセプトです。

何を話そうか、店内には語りかけるような口調で、男性がマイクを通して、食品を使った料理の提案をしています。寒い冬に、外から帰った家族に、暖かい鍋を作ってみませんか?

地元産の野菜を沢山煮込んで、栄養のバランスのとれた鍋料理で、風邪をひかない、丈夫な体になるような、お料理を作ってみませんか?

外で寒い風に当たって、身も凍えるような凍り付くような寒さの中で、かじかむ手先を使って育て上げた地元の農家の皆さんが収穫して持ち寄った、安全な食品を使って頂けませんか?

このような、地産地消の訴えをしています。何を話そうか としているのかと言えば、具体的に、粕汁とか名前を挙げると、粕汁を作る為には、粕汁の他に、鮭、牛蒡、こんにゃく、大根、にんじん、ネギなどの名前があがると、連想的に、「そうだ!今日は粕汁を作ってみよう!」と方針が決まり、そのためには、挙げられた食材を選ぶ行動に移り、予想したように食品が売れるようになります。

主婦にとって、一番頭を抱えるものは、今夜何を作るかです。明確な方針のないまま、とりあえず買い物に来た主婦には、このような今夜の食事のメニューの提案が助かるのです。

「そうだ!今夜は粕汁にしよう!」と方針さえ決まれば、買い物もさっさと終わり、後は家に帰って、料理の支度をすればいいのです。

何を話そうか としているのは、ヤマダストアーは買い物客に対して、このような料理を提案するという販売方法をしています。これまでの販売方法と少し違っています。

調べてみると、ヤマダストアーの理念は、

・企業満足=収益性(会社・店が発展すること)

・お客様満足=customer’s satisfaction

・従業員満足=生きがい、働きがい

・お取引先様満足

の4本柱なくしては、企業の成長はないと考えています。

顧客満足と従業員満足は、比較的多く見受けられる理念です。それに企業満足を入れたのは、稀少性のある経営理念です。

ドラッカーのいう、企業の存続こそが企業の目的であり、企業の存続の為には、顧客満足とイノベーションが重要であるという、企業のマネージメントに沿った経営理念だと思います。

店内をあれこれ見て歩いて選んだのは、新鮮野菜と家島港で水揚げされた鯛です。鯛も『はい!喜んで調理致します!』と掲示されていたので、遠慮無く、鱗をとってもらい、お腹を出して貰いました。

家に帰ると、ヤマダストアーの囁くような料理方法に乗っ取った販売に洗脳され、今夜は鯛のゆず鍋になりました。

2012年12月13日(木)