愛する事と恋する事は、鮎と鯉くらい違うのでしょうか?

宍粟市ツアー(2)

愛は与えるもので、恋は奪うものです。鮎は一年魚で、鯉は多年魚です。

大阪市立大学大学院の博士後期課程で、博士号修得を目指して研究をしていた頃、指導教授の明石芳彦先生と、ゼミの後、飲み会をしている時に、研究に行き詰まった時のアドバイスを頂いた事があります。

その時の苦悩は、研究課題について、コンタクトレンズの歴史を書くか、マーケティングを書くか、企業の組織文化を書くか、経営戦略を書くか、いろいろ迷っていました。

コンタクトレンズの仕事を実務的に40年もしていると、いろいろな情報が身についていて、これがアカデミックな研究論文を書く時には、かえって妨げになっていました。

つまり、コンタクトレンズ業界のこれまでの色々な事を知っているので、あれも書きたいこれも書きたいと、ついつい知っている知識を並べて、知識のオンパレードになってしまいます。

こんな時のアドバイスが「松葉さん、恋(鯉)してもいいが、愛(鮎)したらいかんよ。」と言われました。このことは、査読論文を書く上で、査読論文の一つ一つのテーマを愛してしまうと深みにはまってしまい、身動きがとれなくなってしまうので、恋するくらいに抑えていた方がいいという事でした。

なるほどなぁ。人を恋する事は許されても、人を愛してしまうと、そこには渇愛が生じ、苦しみとなり、執着が生まれ、平静な気持ちが保てなくなります。

愛と恋はこんなに違うものかと思う反面、鮎と鯉はどちらが美味しいかなぁと、つい食べる事を考えてしまいます。

今日は、恋(鯉)よりも一段と執着の強い愛(鮎)を選んでしまいました。

選んだ場所は、いつもの揖保川の正起です。旬彩蔵で野菜を買った後は、正起に入ります。

正起の主人とは、もう20年くらいのお付き合いで、顔見知りになっています。仲の良いご夫妻です。

10月下旬の鮎には、お腹に卵が入っています。今年の鮎の生育は順調だそうです。お店の経営も、揖保川の氾濫がなかったので、順調な営業が出来たそうです。

顔なじみになると良いことがあります。今日の鮎は少しサイズが小さいので、2匹で1匹にしますねと、1匹おまけしてくれました。

さんプラザコンタクトレンズの経営でも、one to oneマーケティングといって、お客様と担当者が顔見知りになり、相手の事をよく理解し、一回限りの関係から出来るだけ長い関係の生涯顧客の関係となるよう、関係性を深めています

更におまけは続きます。正起の入り口に写真でサンプルが掲げられていましたが、その中に自然薯の芋汁がありました。この芋汁もサービスについていました。

鮎を家で焼いてみると、こんなに上手には焼けません。大抵は皮が剥がれたり、形が崩れたり、焼けすぎたり、生焼けだったりするものです。

恋してもいいけど、愛してはいけないと言われたことを思い出しながら、今日の鮎(愛)を頂きます。鮎に付いた塩は血圧に良くないので、箸で塩を丁寧に振り払いながら頂きます。

確かに子持ち鮎です。正確に言えば子ではなく、子になる前の卵持ち鮎です。しかも、食べられる鮎には申し訳ないのですが、鯛焼きのあんこのように、お腹の端から端まで鮎の卵でいっぱいでした。

魚は何万、何十万もの卵を持っているそうなので、環境さえ整えば、一匹の鮎から何万匹の鮎が育つ事になります。こんなに沢山の鮎が一度に生まれると、子どもの代では、兄弟同士の生存競争が厳しくなりそうです。

2012年10月25日(日)