桶狭間の戦いは情報があって結果は得られ、結果の前には情報がありました。まるで因果律の論理です。

桶狭間の勝利は情報があって結果は得られ、結果の前には情報がありました。まるで因果律の論理です。名古屋観光(7)

織田信長の桶狭間の急襲が成功したのは、相手が油断している情報があって、その油断に乗じた結果です。まるで因果律の論理です。

名古屋と言えば、ウナギの『ひつまぶし』です。ひつまぶしを『ひまつぶし』と読んで、疑わなかった人もいます。ひまつぶしではありません。ひつまぶしです。ところが、ウナギの稚魚のシラスが、乱獲がたたり、近年シラスの取引価格が上がり、結果的にウナギの値段が高騰し、ひつまぶしも大きく影響を受け、高騰しています。

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ひつまぶしの予定は、味噌煮込みうどんに変わりました。この名古屋名物、味噌煮込みうどんにも、本家とか総本家とか、お客様の立場からはややこしく感じる名称があり、一体どれが一番美味しいのやら分かりません。

これまで、よく利用したのは、山本屋本店の方です。

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創業大正14年の山本屋総本家は、塩を入れず、国産の小麦粉と水だけで練ったうどんで味噌煮込みうどんを作ってます。

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山本屋の味噌煮込みうどんは、白菜の浅漬けを中心とした漬け物は、無料サービスに馴染んでいましたが、この山本屋総本家では、「うちでは別にしています。」と言われました。つまり有料です。5種類の盛り合わせで、なんと!300円です。これに対して山本屋本店では、漬け物はおかわり自由で無料でした。

熱い味噌煮込みうどんが出て来ました。味噌煮込みうどんの特徴は、名古屋コーチンを使っていることと、うどんの麺が芯が残ってる様な感じの、茹で方が浅い事です。

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味噌煮込みうどんを食べると、必ず後から喉が渇いてきます。ビールでは、喉の渇きはいやせません。水かお茶を飲んでおかないと、後から喉が渇きます。

味噌煮込みうどんを食べた後は、最後の訪問場所に、熱田神宮にお詣りします。

熱田神宮に、織田信長は、今川義元を桶狭間に急襲するとき、わずかな手勢を引き連れて出陣します。家来の方は、織田信長が出陣したことを知って、後から追いかけてきたほど急な出陣だったそうです。

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そのとき、熱田神宮が集合場所になって、必勝祈願をしました。今川義元を桶狭間で討ち取った事によって、織田信長の天下統一の道が開けてきたのですが、そのきっかけは、今川義元が桶狭間の狭いところに陣取って、お昼ご飯の用意をのんびりとしているという情報を簗田政綱(やなだ まさつな)から得たからです。

これは、千載一遇のチャンスです。敵が油断して、暑い時期なので鎧を解いて、お昼ご飯の準備に取りかかるなんて、今を置いて今川義元の首を掻くチャンスはありません。

しかも、急に天気が崩れ、もの凄い雨の夕立が降って、今川義元の陣営では、油断の上に混乱が起き、この機に乗じて織田信長軍は、気付かれることなく今川義元の本陣まで深く入り込み、目指すは今川義元の首一つ、その他の将には目をくれるな!と、突進していきます。

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不意をつかれた今川義元は逃げるのが精一杯で、防戦も出来ず、哀れ、毛利新助に鎗を突き立てられ、首を掻ききられ、天下統一に向かう上洛の途中で命を落としてしまいました。

さて、その後の論功行賞ですが、織田信長は誰を一番褒めたでしょうか? 首を獲った兵士でしょうか?ここが織田信長の偉いところで、最高殊勲選手として表彰したのは、桶狭間に今川軍が休憩中です!と、情報をもたらした

簗田政綱に功績第一と褒めました。

このような、歴史的な背景のある熱田神宮に参拝するとなると、織田信長が残した、神社に寄進した織田信長塀を見たくなります。西門前の鳥居をくぐり中へ入ります。

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大楠がありました。この楠は弘法大師の手植えと伝えられ、樹齢は約千年にもなるそうです。境内には楠が多く、特に大きなもの七本を、七本楠といいます。

ここでも、名古屋城と同じ様に、つつじ盆栽の展示会をしていました。

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こちらの本宮は、明治26年までは尾張造りの社殿でしたが、三種の神器奉斎の社であることから、伊勢の神宮とほぼ同様の社殿配置・規模の神明造りに改造されました。

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三種の神器と言われるのは、剣・勾玉・銅鏡です。鏡は伊勢の神宮の皇大神宮に、剣は熱田神宮に神体として奉斎され、勾玉は皇居の御所に安置されていると言われています。

三種の神器の剣が、この熱田神宮に祀られ、神社の奥深くに祀られ、それを皆さんが参拝に訪れ、願い事を託していくのです。

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信長塀がありました。永禄3年(1560)織田信長が桶狭間出陣の時、熱田神宮に必勝祈願をして大勝、お礼に奉納されたものです。土と石灰を油で練り固め、瓦を厚く積み重ねたもので、兵庫西宮神社の大練塀、京都三十三間堂の太閤塀とともに、日本三大土塀の一つとして有名です。

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湧き水の中にある苔むした石は、楊貴妃の石塔の一部との説もあります。三度水をかけて祈念すると願い事が叶い、この水で肌を洗えば綺麗になるとも言われています。この辺は、信者を集める為のマーケティング政策に思えます。

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こちらも立派な楠。七本楠の1つでしょうか。

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日本のお守り。こんな本がありました。

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今回の名古屋訪問は、古いものから新しいものまで、年代的には幅広い文化を見てきました。一番古いのは、古事記の熱田神宮の剣で、新しいものはこれから作られるリニア・新幹線です。名古屋は東京と大阪・京都の間に位置し、独自の文化圏を持っている事が改めて理解出来ました。

2012年5月25日(金)