主役は誰ですか? 焼き鳥屋さんの主役は誰ですか?

主役は誰ですか?焼き鳥屋さんの主役は誰ですか?お店が流行るかどうか、誰に依存していますか?

主役は誰ですか?焼き鳥屋さんの主役は誰ですか?

流行るには理由があり、流行らないにも理由があります。外食をするとき、なるべく流行る店を選んだ方が経営の勉強になります。これが問題意識です。今夜は、神戸市灘区 六甲道の流行っている店を探してみます。

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ネオンに輝く看板を見ているだけでは、流行っているかどうかは、分かりません。ドアを開けてちょっと覗いてみると、ひっそりとしたお店もあれば、お客の騒音でごった返している店もあります。

今夜は焼き鳥に決めて、何件かの焼き鳥屋さんを巡ってみました。その中で一番流行っていたのが、これから入る「鳥貴族」のお店です。

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調べてみると、株式会社鳥貴族(大倉忠司社長)は、昭和60(1985)年の創業です。六甲のお店は、121番目のお店です。目標は1000店です。

特徴は、スタッフが若い女性中心で、動きが活発、値段が明朗会計、店の作りがログハウスのように、丸太で組み立てられて、黒を基調とした塗装、お皿の焼き鳥のサイズがやや大きめと、こんな特徴がすぐ目につきます。

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カウンターに案内され、目の前が、注文を受けて炉端で焼き鳥を焼く係です。この人の動きを見ていると、注文が伝票で入ってくると、ガラスの仕切りのボードに貼り付けて、早い順から注文の品を焼いて来ます。焼く前に、味付けを確認します。

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醤油だれか塩味です。塩味の場合は、胡椒を入れているようなブリキ製の丸い筒を逆さまにして、たくさん穴が開いた塩がでる開口部を焼き鳥に狙いを定めて、どんどん振りかけて行きます。

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塩の量が気になると、こんなに振らなくても、もう少し塩を遠慮したらいいのにと思ってしまいます。醤油だれの場合は、寸胴にいっぱい入ったタレに漬けています。

予想外だったのは、炭火焼きと思っていたところ、電気のヒーターの上で焼いています。

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カウンターの後ろには、釜飯を焼く棚がずらっと並んでいます。

チェーン店で、キーマンは誰でしょう?全体を見回しているのは、目の前の焼き手の人です。でも、この焼き手の人だけでは、お店はまわりません。

注文を聞いて、もう一品、更にもう一品と、上手に薦める人がいるといないとでは、大違いです。

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280円で消費税込みでは294円では、注文側からはトクする注文と、やや不利な注文があります。焼き鳥の1品ずつには、さほど差はないにしても、キャベツの盛り合わせが294円だと、お店側が有利です。

キムチ一皿294円も、お店側が有利です。ビールの生中杯は294円だと、お客の有利です。こうしてみると、原価率を巡って、お客の有利はお店の不利、お店の有利はお客の不利が、混ざり合って、結局全体では上手く調和しているようです。

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一番重要な役所は、誰でしょう?炉端の前で焼く人、注文を上手く薦める人、料理を運ぶ人、精算を担当する人などがいて、一番汗を掻いていたのは、熱い火の側でせっせと、塩を振ったり、醤油をつけたり、焼き鳥を裏返して、焼き具合を確かめて、注文書の通りに焼き上げる、焼き手のように見えました。