みいつけた:みいつけた、みいつけた、蛍の光をみいつけた!

【みいつけた:みいつけた、みいつけた、蛍の光をみいつけた!と思わず叫びそうになりました。松葉博雄は、躍動的な蛍の光が、ぽっぽ、ぽっぽと光っているのを見つけました。鮎が解禁・蛍も見頃(4)】

みいつけた、みいつけた、蛍をみいつけた!と心が躍りました。松葉博雄は求めていた蛍の光をとうとう見つける事ができました。

欲の皮に引っ張られて、これから偉いことになるともつゆ知らず、蛍の宿を探しに闇夜に向かって行きます。蛍の宿は、「川ばた柳のあるところ」と、だいたいの見当を付けて、食事を終えて20時40分頃、蛍を見に散歩に出かけます。

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生谷温泉 伊沢の里に、冬ならば細雪のような、霧のような雨が降っています。伊沢の里の宿は、駐車場が周りに広がっています。駐車場には車が少なく、車に当たることはありません。

宿の横を横切っていると、研修室から、おじさんたちの研修風景が見えました。歌謡教室の研修をしているのでしょうか?駐車場に、音がこぼれて来ます。

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明るい部屋から暗い野外に出てみると、まだ目は闇夜に順応していなくて、歩くのも足元がハッキリ見えなくて、もしこんな所で転んで、前の川に落ちておぼれ損なって、明日の神戸新聞の地方版に転落事故の三行記事が載ると大変なので、気をつけながら進みます。

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2~3匹どころか、闇夜に目が慣れてくると、川の中に瀬があって、瀬に茂る草木の間に蛍の光が、いくつも消えそうになったり、燃えそうになったり、息づかいが伝わるように、躍動的な蛍の光が、ぽっぽ、ぽっぽと光っていました。

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一度は諦めていた蛍が少しでも見えてくると、もっと蛍の光を見たいと欲が湧いてきて、更なる蛍の宿を探しに行くことにします。考えてみると、欲というものは、人間の行動を引っ張る源となっています。

遠くからちらっと見えただけでは納まらなくなり、もっと近くで、できたら手の届く距離で蛍を見たいと、暗い闇夜も物とせず、川にかかる橋を渡り、今見えている向こう側に渡り、蛍が見えていた場所に移動します。

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ところが、この辺りは民有地で、川に沿って歩いているうちに、犬に感づかれ、ワンワンと不審者の侵入に対する警告を、番犬が騒ぎ立てると、家人が出て来てこちらを不審そうに見ています。

番犬が騒ぎ立てると、精神的に、蛍を観賞するという高度な精神状態から、なんとかここから離れないと犬の騒ぎは収まらないという不安感に変わって来ました。やはり、欲に引っ張られて、一層賑やかな蛍の宿を探したのが、騒ぎの原因です。

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蛍を見た後は、お風呂にはいります。お風呂の写真は撮れなかったので、パンフレットから掲載します。一応は、天然温泉となっています。

生谷温泉は無色透明の弱塩泉で、筋肉痛や打ち身、ねんざなどに効能のあるお風呂です。1日曇り空で肌寒く、少し冷えた体をゆっくりと温めました。

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ロビーには、神戸港とハーバーランドの絵が掲げられて、伊沢の里から見れば、神戸は、一つの観光地なんだと思いました。雨の日にもかかわらず蛍が飛んでいる光景を見られたので、納得して部屋に帰って寝ることにします。

 

2011年6月16日(木)