日本眼科医会からの注意報

2004年11月1日に神戸新聞くらしのページに、コンタクトレンズトラブル多発の記事が掲載されました。
最近、コンタクトレンズの情報を掲載する記事がよく目立ちます。その背景は、2005年4月1日より施行される改正薬事法にその理由があります。新聞の記事にもそのことに触れています。

簡単に言えば、これまでコンタクトレンズを販売するには、監督官庁である県の薬務課に届けを出す事で良かったのですが、改正薬事法になると許可制に移行します。許可を受けるためには一定の条件を満たすことはもちろんですが、許可がされても法律に違反する状態が改善されなければ許可の取り消しにもつながります。

コンタクトレンズは製品の良い悪いだけにとどまらず、販売にあたってのケアに対する十分な説明や、重篤な障害を起こさないように定期的な検査を受ける必要があります。レンズを使う方は使用方法を守り、異常があれば眼科専門医で診察を受けるということも繰り返し注意がなされています。

最近はソフトレンズが中心と なり、装用感が良いために以前のハードのように「痛い」という自覚がなかなか感じられなくなりました。

ハードレンズの時代には1枚のレンズが高価なためになるべく長期間使ったほうが得をしたような考え方が一部の方にありました。結果としては、長期間使うとレンズは当然細かい傷がつく、汚れがたまる、目に見えないレンズの変形が起きるなどのことで、レンズの劣化症状が御自分の角膜(黒目)に大きな負担をかけてしまい、お金には代えられない結果が起きることがありました。

ソフトレンズの時代では、煮沸消毒から液体消毒の時代に移り、以前のようなソフトレンズの変形、変色まで劣化症状を起こす例はめっきり少なくなりました。さらに、使い捨てレンズの時代に入ると、1枚のレンズが安くなったおかげでそれほど長期間使用するという執着がなくなってきました。

しかし、このような時代にもイレギュラーな使用による障害が多発していることが日本眼科医会の発表では報告されています。繰り返し注意報が発せられていますので、コンタクトレンズをご使用の皆様には是非ご注意を払っていただきたく思います。

 

【2004年11月1日 神戸新聞より一部抜粋】