椎茸昆布:丹波篠山産の椎茸と、沖縄経由北海道産の昆布を使って、椎茸昆布を作ります。

椎茸昆布の味付けは、昆布が、鍋の底に焦げ付かないように、混ぜ続けて仕上げます。

丹波篠山の味土里館で買ってきた椎茸を使って、松葉博雄は、今から椎茸昆布を作ります。

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まず椎茸です。JA丹波篠山の農産物直売所の「味土里館」で購入した椎茸は、たらいに入れると、採れたてのみずみずしさを、指先に感じます。

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次に、こんぶを水に戻します。この昆布は、沖縄訪問の時に、「道の駅 おんな駅」で買っておいた昆布です。沖縄には、琉球時代に、北海道から昆布が集まり、それを中国(明)へ、朝貢貿易をしたときの昆布の文化があります。沖縄の人たちは、昆布を使った料理をよく食べています。お祭りの時の料理には、昆布が必ず出ます。

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沖縄で買った昆布を水に戻し、丁寧に塩気を取り、汚れを取るために、指で洗います。昆布が水を含んで、カリカリの状態から、昆布らしい、柔らかい帯のような、紐のような状態に戻ると、一口サイズに切り分けて、椎茸となじみやすく切ります。

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この作業は、包丁で切ろうかと迷った末、はさみを使って切ることにします。昆布が水を含むと、ぬめりがでて、ぬるぬるとして、包丁で切断するには、よく滑るからです。指で押さえて、包丁で昆布を切っているとき、うっかり滑ってしまうと、指を切るか、切断してしまうので、危険を感じました。

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調味料の砂糖は、これも沖縄産です。純天然砂糖「光寿の砂糖」を使います。

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椎茸は、何度も何度も水を替えて洗います。椎茸の外から出る、ほこりや付着物が、たらいの水を黒くし、何度か替えていくうちに、黒い水は澄んできます。

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椎茸を洗い終えると、水切りです。ざるで、味が薄まらないように、椎茸の水をしっかり切ります。次に、椎茸と昆布を煮込むベースとなるだし汁を作ります。昆布でとった出汁と鰹で更に出汁を取ります。

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昆布でとっただし汁を煮立てて、グラグラ沸騰した頃、花かつおを少しもったいないくらい多く入れて、鰹で出汁を取り、出汁から花かつおだけ取り出します。

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花かつおは、すぐに引き上げないと、味が変わります。取り出した花かつおを、試しに噛んでみても、味も素っ気もありません。

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塩昆布をイメージしてみると、塩昆布は、黒く染色されています。あの黒くする染色は、何だろうかと、かねてから問題意識を持っています。黒くするために、醤油を使うのは予想が付きますが、昆布が黒くなるまで、醤油を使えば、見た目は黒くても、味は辛くてとても食べられない結果になったことがあります。

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辛くなくて黒い、これが目指す方向です。そこで、今日の昆布を黒くする調味料には、上方の味 神宗 の「塩昆布煮汁」で更に味付けをします。

椎茸と先ほど、四角サイズに切ったこんぶを一緒に鍋に入れて、煮詰めていきます。

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使っている調味料は、醤油、みりん、砂糖、お酒、かつお、塩、昆布出汁など、かなりの調味料を使っています。いきなり熱くしないで、昆布をやわらかくするために、中火で、時間をかけて、水分が飛ぶまで煮詰め、味をしっかりと染み込ませます。

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竹製のヘラで、こまめに底をひっくり返し、鍋に焦げ付かないように、水分を飛ばしていきます。これは、かなりの神経の居る仕事です。少し油断すると、鍋に、昆布が焦げ付いて、鍋の底は、黒くなってしまいます。

松葉博雄は、缶ビールを片手に、この難しい椎茸昆布の煮込みを、二時間ほどかけて完成しました。

2011年4月21日(木)